(市ヶ谷ツアー前編から続く)

 

地下壕を出た後は、市ヶ谷記念館へ。
陸軍士官学校本部の建物を移築したものです。

明治7年に陸軍士官学校の兵学寮が市ヶ谷に設置されて、陸軍士官学校が開校しました。
昭和12年には、陸軍士官学校は神奈川県の座間に移され、市ヶ谷には大本営陸軍部、陸軍省、参謀本部が置かれました。
この入り口の風景、見覚えありますよねえ。
三島由紀夫が、1970年(昭和45年)11月25日に、ここのバルコニーから自衛隊にクーデターを呼びかけて演説をしたところです。彼は、その後割腹自殺。三島由紀夫が自決した当時の総監室も見れます。今回ツアー参加者には三島ファンと思われる方もいて、戦跡ツアーというよりは、三島由紀夫ゆかりの場所を見れるということで興奮されていました・・・。

太平洋平洋戦争時は正面には桜ではなく菊が飾られていました。その後桜が飾られていたそうです。

 

まず大講堂へ。ひろーい。

で。私は不勉強ながら全然知らなかったのですが、この大講堂は、昭和21年から23年まで東京裁判が行われた場所だったのです!(私はなんか巣鴨で東京裁判が行われたと勘違いしていました・・・)
 

東条英機元首相が被告人として座って答弁したという席もありました・・・。
いや、マジか!?


案内のお姉さまから東京裁判の時の、ここが被告人席、ここが裁判人席、ここが傍聴人席、ここが通訳席、ここが報道関係者席というように、説明がありました。
元々天皇の座る場所であった一段高い席に通訳席が座ったということです。意外。
二階もありますが、東京裁判時にはこの二階に一般の傍聴席があったそうです。
ここで市ヶ谷記念館の歴史という7分くらいのショートムービーを見るのですが、昭和16年12月の真珠湾攻撃による太平洋海戦から、すぐに昭和20年の終戦になり、太平洋戦争の様子はすべてカット。いや、すごい短縮されていましたねえ・・・。

ここも一部除いて撮影可能ですが、フラッシュ禁止だから、暗くなってしまった。
もうここの大講堂の展示品だけで全部見るのに30分は必要だと思う。でも、見学時間は15分くらいに制限されているのだけど。
航空隊好きの私としては、まず、陸軍の隼戦闘隊の加藤健夫隊長の像を見つけて感激。


 

それから、最後の陸軍参謀総長、梅津美治郎さんの刀を発見。

 

そして~、不死身の分隊長、舩坂弘が献上したという短剣も拝見しました~。

 

他にも、硫黄島の栗林中将のお手紙とか、山下泰文大将のお手紙とか、歴史的に貴重な陸軍関連の資料が山のように展示されております・・・。

そして、二階では、天皇の休憩室であった便殿の間を見て・・・


 

旧陸軍大臣室へ。
戦後、陸軍自衛隊東部方面総監の執務室になっていました。

ここに、1970年11月25日、三島由紀夫が楯の会のメンバーと共に、総監に面会へ。そして、総監を監禁して、バルコニーに出てその上から自衛隊に「立ち上がれ!」とスピーチをした・・・。しかし、自衛隊はまったく相手にせず、三島由紀夫は室内に戻り、割腹自殺(楯の会メンバーに介錯されています)。昭和史に残る大事件が起きた場所です。
その時に三島さん、あるいは楯の会メンバーが振るった刀の傷がドアに残されていました。

 

案内人のお話によりますと・・・総監は、三島さんに腹を立てることなく、三島さんの遺体を静かにデスクの上に横たえたそうです。
三島由紀夫といえば、文章がうまい天才作家だったと思うのですが。この市ヶ谷事件で三島さんが命をかけてまで何をしたかったのか・・・私にはよくわかりません。自衛隊が決起しないと憲法改正はできずアメリカの傀儡になってしまう・・・というようなことを演説で話していたそうですが。
何が、三島さんをそこまで思いつめさせたのだろう・・・。
とにかく、歴史的大事件の起こった場所を見学できます。

市ヶ谷記念館の前には引退したヘリコプター「ひよどり」が展示されています。かわいかった。

 

それから市ヶ谷記念館の横には、陸軍士官学校時代の門がありました。


その後、厚生棟に移動し、広報室で自衛隊広報ムービーを見て(プロジェクションマッピングみたいですごくよくできたムービーでした)、売店へ移動し、おみやげタイム。(厚生棟の中は撮影禁止)
ここに陸軍・海軍・自衛隊グッズが、わんさか売られているのですが。あれこれ迷っているうちに時間ぎれ~。羊羹ロールしか買えなかった~。おみやげタイムがもう少し欲しかった~。
羊羹ロール、おいしかったです。酒保開け~!(笑)

あ、陸軍戦跡見にいったのに、海軍グッズを買ってしまった・・・。



その後、出口まで付き添われて移動し、解散。
1時20分から4時まで。約2時間半の充実のツアー。
すごかったです・・・。

最後に、市ヶ谷ツアーにこれから参加しようという方に、注意点をお伝えします。

  1. 2時間半、ほぼ歩きっぱなしです。(2回くらい座るチャンスはあるけれど)マジで疲れます。歩きやすい靴(パンプスやハイヒールは論外です)と服装で参加する必要あり。
  2. 地下壕の中はかなり冷えます。カーディガンなど羽織るものを持っていった方が無難。
  3. 飲食なしで2時間半歩きますので、飲み物を持参した方がいいです。
  4. トイレ休憩はないけれど、途中フリーの見学時間が2回ほどあります(10分~15分)ので、その時にトイレに行くことができます。しかしフリータイムをトイレ時間に使うと、撮影時間やおみやげを買う時間が足りなくなる・・・。
  5.  撮影は一部の場所をのぞいてOKです。撮影不可の場所は案内のお姉さまから言われますので、ルールを守りましょう。
  6.  700円の見学料を払いますが、キャッシュレス対応していません。現金のみ。おつりがないように、700円かっちり用意して行きましょう。
  7. 中は自衛隊の人達が鍛錬のために走ったりしています。左側歩いてください~、青い枠の中を歩いてください~と、案内役のお姉さまに言われますので、指導に従い、自衛隊の人達の邪魔にならないよう移動しましょう。


私の感想としては、これで700円ってめっちゃ安い!
まあ、防衛省は私たちの税金で成り立っている公的機関なので安いのかもしれませんが。
見どころがモリモリで、すごかったです。私的には、市ヶ谷記念館の大講堂見学フリータイムと、おみやげタイムの時間がもうちょっとあったらなあ~と思いました。


 

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