久しぶりに
母に会ってきました。
母は認知症で要介護4。
娘の私だけでなく
自分のことすら分かりません。
かわいそうなのですが、
今は両目も見えていない状態です。

母には頻繁には会えないので
会うとどうしても涙が出て
しまいます。
なので、泣いている姿が
母に見えないのは唯一私の救いです。

そんな母ですが、
いえそんな母だからこそ、
私たちは繋がっているのだと
深く感じることが
出来るようになりました。

会話が成立しなくても
相手の存在が分からなくてても
姿が見えなくても
言葉で何を話していたとしても
そういった常識を超えて
側にいることを喜んでいるのが
不思議な空気で感じられるのです。
こんな今だからこそ昔とは違う
繋がりを感じます。

母が認知症になり視力を失い
母と家族共に沢山の
当たり前を失いました。
そして、その時間は同時に沢山の
痛みと苦しみも伴いましたが、
私たちには
失くしたからこそ
開いた扉があります。
今回はそのことを強く感じました。

記憶をなくしても
光をなくしても
真っ直ぐな姿勢で
真っ直ぐにこちらを見る
母の姿はとても美しいと
心から尊敬の念が湧きました。

そこには、命ある限り
人としてあろうとする
母の強い意志があるようにも
思えました。

あぁ、この母に会いたくて
この母の姿が見たくて
私はこの母を選んで生まれたのだ
自然とそう思いました。

新しく開いた扉は
優しく温かい愛で
私と母を強く繋げてくれました。

見えない繋がりこそが
今の私と母の確かな真実だと
母の存在が教えてくれます。

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