今回の旅で、
心に残るどうしても
忘れたくないことがあります。

これは私自身の為にも
記憶が遠くなる前に最初に
書いておこうと思います。

旅の最後の日に、
ある聖者の系統のアシュラムに
寄らせて頂きました。
そこはまだ舗装もされていない
赤土がデコボコだらけの
道の先にありました。
デコボコの道を車で進んでいる時は
正直どこに連れていかれるのか?!
ちゃんと着くのか?
と不安になった位でした。
車ではそれ以上進めず、
別の道を探し直した位
そこへの道はデコボコ道でした。

やっと着いた先にあったのは、
今回の旅で1番のどこまでも広がる
濃い緑と木々と山々の景色。
その中にポツリとある小さな建物と
畑でした。人も数えられる位でした。

ここで出会った人達と
出された食事を
私は一生忘れたくない。
そう思っています。

出された食事は2品です。
緑豆豆を発芽させ、
シンプルに蒸されたものと
25種類のナッツをスープに
したものです。
この2品を口にした時に
今まで感じたことの無い
深い部分であろう
心の奥底から食べ物を
美味しいと思いました。
(実は私は体調もイマイチで
お腹も空いていませんでした。)

ここの食事だけは
たとえ今の自分の身体が不調で
食べられない量でも、
決して残してはいけないと
そう思わせてくれました。

この食事が
丁寧に大切に作られているのが
口に入れただけで伝わってくるのです。
また、この食事を運んでくれた方の
自然でゆったりとした動き、
笑顔や親切な心に
言葉は話せなくても
せめて態度で、
この今の精一杯の心で
私自身も応えたい。
自然に思わせてくれました。
こんなに一生懸命に食事をしたのは
あまり記憶がありません。

この時にアシュラムの方が、
私達が楽に座れるようにゴザを
持って来てくれたのですが、
突然に動かなくなってしまいました。
えっ?!どうしたんだろ?!
そう思って、その方の目の先を
追うと、小さな小さなアリが2匹。
そのアリがゴザに潰されないように
アリが安心な場所に行くのを
待ってあげていたのです。
私が驚いたのは、
その方の動きや振る舞いや瞳が
あまりにも自然で、本当に
普段からそうされているんだろうな、、、
そう感じたからです。

緑豆豆も、ナッツも、アリも、
命を大切に扱っている場所。
そんな場所で出された食事の味は
間違いなく
生きる命の味がしました。

この場所は自然だけではなく
住んでいる人達の動きも
美しいなぁ、、、
どこからくるか分からないけど
ただ感動してしまう。
言葉にも出来ない。
今、伝えてしまったら
瞬間にまるで消えちゃいそう。
この感覚を忘れたくない。
ただ強く思いました。

そして今、やっと大切にした
この気持ちを形に出来ています。

私が、このアシュラムに行くことも
この方達と出会えたのも、
この1度きりになると思います。
現実の日本社会で、
あのアシュラムの方の様に生きる
ことはほぼ難しいと思われます。
アシュラムにだって、
美しいだけじゃない現実が
きっとたくさんあるに違いません。

でも、私の中では間違いなく
感動したことと、
それを見せてくれた
白いローブ姿の美しい
あの人達は生き続けます。
そして、食事を作る度、
誰かに食事を出す度に、
私が感じた感動をたった一人にでも
伝えられる人間になりたいと願い
この日のこの場所
この瞬間この出会いに
感謝することでしょう。

今回の旅も写真があまり取れず
言葉だけで申し訳ないのですが、、。
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帰り側に、畑から完全な無農薬の
バナナをもいでくれたのですが、
このバナナがまた美味しかったのです。
美味しい!!
そう言ったら、嬉しそうに
また新鮮もぎたてバナナを
笑顔一杯に持って来てくれるのです。
私はこの時、
バナナの美味しさだけではなくて、
人の笑顔ってこんなに人の心を
幸せにしてくれるのか、、、と、
なんだか泣きたい気持ちに
なってしまいました。

ありがとうございます。
ありがとうございます。
ありがとうございます。

どうやったら、
どうしたら、
自分の中にあるこの気持ちを
この人達に返せるんだろう、、、。

いつかこの気持ちが、
どんな形でも
私から直接ではなくても
このアシュラムの人達に届いたら
いいなぁ、、、。