ガッチャマンの実写映画を見に行こうと思うんだ。


 でも、どのレビューを見ても結構ひどいんだ。


 ところで、うちにはテレビがなくてね。

 それに、近頃は東宝系の映画館に行っていなかったから、予告編もまともに見てなかったんだ。

 いつも見ないことにしてるんだ。楽しみは先延ばしにしたいからね。


 ほら、ショートケーキのイチゴは最後に食べるタイプなんだ。

 好きなものは最後まで取っておく貧乏性なんだ。


 だけど。


 レビューがあんまりにあんまりだから、つい、公式サイトを確認したうえに動画サイトまで見てしまった。

 映画館のサイトではさ、ほら、小さな画像で紹介しているだろ。

 だから、こんなだとは思ってなかったんだよね。

「カッコいいじゃん!」とか無邪気に思ってたんだよね。


 http://www.gatchaman-movie.jp/


 キャッチの「その力は、正義か、破壊か――」って、まず日本語としておかしくないか? 正義と破壊って対になる言葉じゃないよね?


 と思ったが、気にしないことにする。

 こういうのは感覚だから。


 そして肝心のビジュアル。


 ヘルメットのクリア感。スーツのメタルな感じ。大丈夫だろうか。

 太陽の光の下ではぺかぺかになりそうな予感。


 それに、私の中のガッチャマンというのはマットなベタ塗り。あのまま再現されるとは思っていなかったけれど、ここまでとは……。


 で、どれが誰?

 ジュンと甚平はさすがにわかる。緑が竜だろ、たぶん。

 健とジョーの顔の区別がつかない程度にしか俳優に興味がないけれど、それは私の問題だから仕方ないよね。


 それはいいんだよ。


 でもこれ……無駄にダークにしたゴレ●ジャーにしか見えない。

 ガッチャマンって、鳥だったよね? 空のかなたに踊る影だよね? 科学忍者隊は解散したのか?

 私は戦隊ものが見たいんじゃないんだよ。ガッチャマンだから見に行くんだよ。


 ここですでに軽いショック。


 いや、それはいいや、別に。

 ビジュアルは慣れればなんとかなる。



 そして、TRAILERをクリック――



 予告編を見て、胸がいっぱいになりました。

 見なきゃよかった感で。


 ダークにすりゃいいってもんじゃないんだよね。もともとそんなにダークなヒーローじゃないんだし。

 何が何でも悲劇にしなくても、スカッとギャラクターを倒してくれたらそれでよかったんだよ。


 いや、ダークにしたっていいんだよ。

 ダークナイトばりにヒーローの孤独が表現できるなら。

 でもこれじゃ、誰かが撮ったキャシャーンじゃないか。



 それでも行くぞ。


 負けないんだからねっ!