『ヴィクトリア女王 世紀の恋』を見ました。


監督:ジャン=マルク・バレ

出演:エミリー・ブラント、ルパート・フレンド


原題はThe Young Victoriaで、若き日のヴィクトリアのお話。

まあ結局、アルバートとの恋が一応中心にあるわけですが、そのアルバート自身が、ベルギー王から女王を篭絡するために送り込まれてきた「駒」。

王位に着くまでも、着いてからも、(周りの)権力争いの凄まじいこと。

恋だけが描かれていたらそれだけだったでしょうが、その権力争いの風景が面白かった。


ただ、英国の人々にとっては自国の歴史なのでわかるのでしょうが、予備知識がないと「??」というところも少々ありました。

まあ、こちらであれば、たとえば信長と秀吉と家康が並んでいれば、説明されなくてもだいたいわかるわけですが、そういう底にある知識が私にはなかったからか、ちょっとついていきにくいところもあるにはあった。

メルバーン首相のことなんて全然知らなかったので、スキャンダルのことはよくわからなかった。

もちろん、尺の問題ではしょらなければいけないところもあったでしょうし。


このへん、ちょっとお勉強していくと「はあ、なるほど」と思えたかもしれませんね。


でも、ヴィクトリアが置かれている状況は、初めから終わりまでわりと丁寧に説明されていたと思います。そのへんは親切でした。

恋愛のことでも、アルバートはザクセン侯でつまり外国人なので、絶対もっと障害があったと思うのですが、かなりすっきり結婚してましたね。

恋のところは、重くなりすぎないようにしていたのかも。

それ以外のところがきついから(笑)


それに、衣装から小道具から何から、それはもうりっぱでステキ(時代考証的なことは、私にはよくわかりません)。

「ヴィクトリア朝」といえばホームズの時代ですよね。

もっと退廃的で爛熟したかんじなのかと思っていましたが、「ステキ」ってところでまとまってました。


即位式とか、ワルツのシーンとか、すごくステキでしたよ。


ヴィクトリア役のエミリー・ブラントは、若くてはつらつとしていて、気が強そうで、しっかり自分の考えを持っている、そんな女王の姿をよく演じていたと思います。


アルバートのルパート・フレンドは、ヨーロッパ風の男前。

この映画のアルバートは、ハンサムで頭も切れて、行動力もあって奥さんには優しい、と一言でいうとオイシイ役でした。


どろどろした環境にあったからこそ、かえって純愛になったのかもしれないですね。


そうは思うけれど、邦題のサブタイトルは逆にもったいない気もしないでもないな。
なんでも恋愛にしないと見に来てもらえないのだろうか。


映画は、どちらかというと玉座に着くまでのほうが長く、着いてからはあっという間に終わります。

ヴィクトリア女王の治世といえば、ホームズが活躍していた頃だし、産業革命も起こっている。植民地もたくさんあったし、切り裂きジャックもこの時代。

もっと勉強しなきゃです。

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