先日購入したビジネス誌に、ある実験についての記事が載っていました。


こんなかんじの実験。


被験者Aさんと被験者Bさんがいます。


・AさんとBさんはお互い知らない人です。

・AさんとBさんは、ダイレクトメールの折込作業を行います。別室で。

・ダイレクトメール一枚1.5円。(いい値段だぞ)

・作業が終わるまで、自分がいくらもらえるのかわかりません。


さて、ここで、どうやってその報酬を分けるかが、この実験で知りたいところなのです。


2通り調べます。


1.DM作業をしなかった被験者Cさんが分ける。

2.被験者Aさんが分ける。


(どちらの場合も、A、Bが何枚DMを作ったか知らされます)


1.の、「Cさんが分ける」場合、AさんとBさんがそれぞれ作成したDMの枚数に応じて分けたケースが7割だったそうです。つまり、成果に応じて報酬を分けた人が多かったわけ。


2.の、「Aさんが分ける」場合、DMの枚数に応じて分けたケースが5割にまで下がるのだそうで、等分する人が3割。職権乱用(笑)して自分に有利なように分けた人が13%いたのだそうです。


ところでこの実験は、日本とアメリカ(日本人のペア24組とアメリカ人のペア24組)で行われたそうなのですが、自分の成果より報酬を多くつけた人の割合は、アメリカの人のほうが大きかったそうです。


また、AさんとBさんが一緒に作業した場合、等分しようとした人が4割になったのだそうです。


ふーん。


最後の、一緒に作業したから等分する、というのはなんとなくわかりますね。


私がAの立場だったら、成果に応じて分けると思うけど。

でも、一緒に作業したら、半分こにするかもしれないな。

でもでも、二人の作業量が圧倒的に違っていたら、作業枚数に応じて分けると思う。


このへんの心理も、経済学の分野に入るのだそうです。

「分け方」というのがポイントのようですね。


ニューロサイエンスという難しそうな手法でもって研究なさるのだそうです。


これがわかったらビジネス上で役立つというよりも、経済活動そのものの謎に迫るというか、わりと古典的な問題意識なのかもしれないですね。


わたしたちの脳をどうするか―ニューロサイエンスとグローバル資本主義/カトリーヌ マラブー
¥2,205
Amazon.co.jp
一目でわかるニューロサイエンス/ロージャー・A. バーカー
¥3,360
Amazon.co.jp