お正月の3日(正確には日付変わって4日)、NHKでシャーロック・ホームズの「バスカヴィル家の犬」をしていたのを見ました。
私はてっきり、ジェレミーがあの物憂いヴァイオリンの調べとともに現れると思い込んでいたのですが、始まってみればおどろおどろしい夜の沼地に続いて、解剖台の上のおじさんの恐ろしい形相が。

スリーピーホロウが始まったけど!?」と思いました。
あー、びっくりした。
でも、ちゃんと「バスカヴィル家の犬」って出たし、間違ってないよね…?

と思っていますと、さらに続いて、紳士方の云々が終わり、場面が変わって、突然タオル一枚の男性が二人。

それがホームズとワトソン君でした。

ええっ、ジェレミー・ブレット、亡くなったって聞いてたけど!?
それに、ワトソン君えらい痩せてるけど!?
というか、なんで裸で出てくるの!?

と思ったら、別人でした(当たりまえ)。
こちらはBBCの制作で、ホームズはリチャード・ロクスバラ、ワトソンはイアン・ハートが演じております。
前のはそういえばグラナダだったね。

全体的には、何を意識してああなったの? という印象。
前のジェレミィ主演のホームズシリーズの存在があまりにもでっかいのでしょうね。
前のものは、かなりオーソドックスなつくりだったんじゃないかと思いますが、今回のは別のものを目指そうとしすぎたばかりに何がなんだかよくわからなくなった、というかんじが…。

ホームズが突然注射うちはじめたり(『バスカヴィル』では知りませんが、原作シリーズ中で本当にやってたと思う)、そもそも登場シーンが裸(サウナ上がり)だったり、19世紀末の退廃をにおわせているところは面白かったです。

なんせ、ホームズもワトソンも若いの。原作に近いのかな。
ホームズはちょっとマッチョ系で、ワトソンはシャープな感じ。
ホームズは柔術の達人のはずだもん。ジェレミー・ブレットは人を投げそうになかったよね。
で、前のワトソンはホームズに言われると、だまされても(笑)馬鹿にされても「ハイハイ」という風でしたが、こちらではほぼ対等。他人の機嫌をとっているホームズを初めて見た。
最後なんか、彼女の機嫌を損ねた彼氏が懸命にご機嫌とりをするの図でしたけど。

あと、青い魔犬って設定だったと思うのですが、そういうところは省略されていた。
その犬がまたCG丸出しなのですが、笑っちゃうよ。仕方ないってば仕方ないけど(2002年の作品です)。
それから、意外な人が死んでしまって、えーっ!と思いました。最後のロマンスはどうなるのよーっと思っていると、ホームズとワトソンは大怪我しているヘンリーさんを「じゃっ」てなかんじでほって帰っちゃうの。

何がしたかったんだ?

なにより、ホームズを底なし沼にはめるとはどういう了見だ!?
弟は「ホームズがかっこ悪い」と言ってました(笑)

まあ、私の脳にはグラナダ版のホームズのイメージがしっかり刷り込まれてますので、比べずにはいられないです。
前のほうが好きだ。
でも、今回のシリーズも、また新しいエピソードをテレビでやれば見ようかな…とは思います。

新しいJ.ボンド(ダニエル・クレイグ)も悪くはないが、やはり007はショーン・コネリーだと言い張る両親の気持ちが少しわかりました…。