今日は、いつになく、テレビ番組のお話。
昨年新型コロナ禍でステイホームを余儀なくされ始めた頃、我々夫婦は共に無職なので自ずとTVに向かう事が多くなった。しかし民放のワイドショーに精神を苛まれる結果になる。そして逃げるように辿り着いたチャネルはNHKのBSプレミアムだった。そこには世間の喧騒から離れ、静寂で落着いた世界が、あった。
その時妻が見始めたのは「にっぽん縦断 こころ旅」という番組。
番組が毎日一通視聴者から寄せられた手紙を選び、そこ書かれた「こころの風景」を俳優火野正平が自転車で訪れるという内容。
日本全国北から南に、あるいは南から北に、順番に訪れていく。毎週1つの都道府県、火曜日から金曜日まで、つまり一週間(一つの県)につき4か所訪れる。
こう書くと、どこが面白いの?と言われそうだが、面白いとかではなく、どこか心に沁みる、しんみりとさせられる番組なのです。癒されます。
その良さは簡単には伝わらないですね。見てもらうしかないです。妻は番組を見ながら涙を浮かべていることが良くありました。
私もいつしか、ちょくちょく見るようになりました。
火野正平という人は、かつて女グセが悪く、世間的に評判が良くなかった。私の妻も嫌いだったそうだ。
なぜNHKがこの俳優を選んだのか謎とされているのだが、とにかく名所旧跡とは無縁の視聴者の私的空間を尋ね歩くのがミソ。「お手紙」に感情的に入り込み過ぎずサラリと取り扱っているのが、いいです。さりげないユーモアも漂います。また地方の人々は皆心が暖かい。
10年続く長寿番組。結構根強い人気があります。
火野正平さんも1年中自転車を漕いでいるわけにもいかないので、1年を2つに分け、「春の旅」と「秋の旅」それぞれ3~4か月旅しています。その間お休みの間は再放送などで繋いでいます。
昨年12月25日、2020年の秋の旅の放送が終わった時、「10年間ご視聴ありがとうございました」というテロップが表示されました。火野さんも高齢だし(現在71歳)これで番組も終わりか、と思われましたが、番組のファンからの続行を求める熱烈な声が押し寄せ(番組WebSiteがあります。https://www.nhk.or.jp/kokorotabi/)、火野さんも番組スタッフも悩んだ末と思われますが、2021年春の旅が決定しました。
今は春の旅の放送が始まる3月29日を待っている状態です。
今番組は2020年の再放送をやっています(BSプレミアム平日朝6:00~ 58分間=本放送の2日分を1日で)。
また「にっぽん縦断 こころ旅 ディレクターズ・カット-東日本大震災の町を走る-」という45分番組を今日から毎週土曜・日曜の午前11時にBSプレミアムで放送します。
さらに、いずれ「リクエストアワー」もやるらしいです。
これらは、それはそれで楽しみです。
この番組、毎回最初の方で火野さんが自転車を快調に走らせている時流れるテーマソングがあります。池田綾子さんが歌う「こころたび」。
昨日YouTubeから「こころたび」を池田綾子さんがライブで歌っている動画を探し出し、自分のライブラリ(ラジオ体操用)に登録しました。TVで再生できるように。
<YouTube>
https://www.youtube.com/watch?v=HT0EPnkUaI8
私(妻に向かって)「YouTubeでまた動画を見つけて来たよ。泣いちゃうかもしれないけど…」
TVで再生し、妻と2人で見て、泣きました。
池田綾子さんの高音で澄んだ声が心に沁みます。
番組を知らない人が見たら、なんでこの曲で泣くのか、訳が分からないでしょうね。