昨日政府はGoToトラベルを12月28日から全国的に停止すると決定しました。昨日のブログでの予想が外れました。
しかし何で28日からなんだろう?まだ2週間も先の話です。


さて、年末年始のGoToトラベルの中止に伴い人々の移動自粛も誘発され、地場観光業だけでなく大手空運各社・JR各社も打撃を受けます。

以下は11月に発表された大手空運各社・JR各社の今年度前半の決算です。
 



 

JR北海道とJR四国は上場していないので損失額はわかりませんが、これらを入れて今年度前半だけで実に1兆円規模の赤字になりました。

同じく11月に発表された通期の予想も見てみましょう。
 

 

2兆円規模ですね。

例えばJR東日本だと平年の年間純利益は3千億円弱です。
JR九州なら平年の年間純利益は500億円弱。
JR東日本は、この赤字を取り返すのに1年半程度で済みますが、JR九州の場合は6年ぐらい掛かるという計算になります。

これは11月段階のでの予想なので、年末年始の書き入れ時を、どう読んでいたか不明ですが、人の動きがピタリ止まってしまうのは想定外でしょうから実際にはもっと赤字幅が広がりそうです。

コロナ自粛の影響は空運・陸運だけではありません。製造業、小売業、建設業、不動産などいろいろな業種に及びます。もっとも製造業と空運は海外の動きにも左右されるので、国内の感染状況だけで論じることはできませんが、複雑になるので触れません。

いずれにせよ、コロナがこのまま穏便に収まったとしても東証1部上場の大企業だけで数兆円以上の赤字が発生しそうです。

これらの企業が倒産しないように支えているのが、政府系政策銀行でありメガバンクです。メガバンクは既にそれぞれの企業に数千億円規模の融資枠を設定しています。

そのおかげで今までの所コロナ禍で倒産した上場企業は、レナウン(東証1部)とNuts(東証JASDAQ)の2社だけです。

以下は私の邪推なのですが、政府が最も気にしているのは大企業の倒産連鎖ではないでしょうか。
大企業の赤字幅が大幅に広がり倒産がドミノ倒しのように起こり、メガバンクをもってしても支えきれなくなって、つまり不良債権が多額になりすぎてメガバンクも国有化する事になる、といった事態を考えなくていいのでしょうか。

政府は中小企業や、ましてや飲食・観光の小売店、ホテル、旅館など構っていられないというのが本音ではないでしょうか。
また新型コロナで3000人程度死者が出ても、自殺者が数千人出ても、ある意味止むを得ないと考えてはいないでしょうか。