東博の日本庭園が公開されていました

茶の湯展の時は、時間切れで見学できずで再訪

元は寛永寺の境内だったところ、いろいろ改修されて

この池と築山は当時を偲ばせるそうです

朝早かったので静かに散策できました

今回はこの向こうの「転合庵」が内部まで拝見できることー

 

小堀遠州が伏見に建てた茶室が廻ってここに移築

遠州好みといわれる二畳台目向切席

ここから席入りさせてもらいました

切妻屋根で瓦葺きですが、小間の趣がいいですね

遠州の茶室は窓を多く取り入れるなど光陰の扱いが

とても巧で遠州流の「きれいさび」を感じました

道具や作庭、国焼を目利きした「中興名物」など

大名茶にも繋がっいて興味深いです

近江小室城主として、サロンの中心人物だった!

六窓庵や春草蘆など随分と茶席が移築されていました

腰掛待合など今も茶会に使われているのが素晴らしい

もうすっかり茶事から遠ざかっていますが、昔の茶会などを

懐かしく思いだしました

たまたま同時に読んでいた小説、葉室麟は直木賞受賞の

「蜩の記」を読んだ時、一ページ目から魅了された作家

この作品もある種の歴史ミステリーロマンかな

かれの文体は漢字仮名交じりの美しさと奥深さがあります

どこか鏡花の「歌行灯」にも通じていると勝手に想っていますがー

 

茶会記のとうり折々の茶事が横糸となり、縦糸は自害した妻の

真相を突き止めていく推理小説を読むように一気にー

でももう一度じっくり味わってみたい小説でした

最初の雪見茶事では、鯛尽くしの鯛昆布締め

白板昆布で〆て、もう一品はほたるいか

そして鯛の吸物とー櫻葉を巻いて名残にしましたけど

献立も記されていました

再現とはいきませんが、いろいろ想いを巡らせ

工夫するって愉しいですね

この旧知の友との茶事では、軸は利休の遺偈

あの天になげうつ一太刀ーは主人公の覚悟のほどを

表現していると思いました

正午茶事や夜咄、雛の茶会などいろいろ想像を

掻き立てられました

本文では、如心斎に師事とありますから

表千家の流儀ですね、天目茶碗などの

扱いなど興味深かったです

どの時代にも政争ありー藩を出て茶人として名を成し

故郷へ戻ってきた主人公、武士としての矜持や愛する者への

眼差しなど魅力的な人物像で、蜩の記のように

映画化されるのでしょうかね 健さんならいいなー笑

茶人としての立居振舞など作者には指南役がいたのでしょうね

暑い一日になり、抹茶カプチーノ!と豆乳羹

今度はちゃんと主菓子を作りましょう