12日は「蓮始開」はすはじめてひらく の32候
昨夏の鶴岡八幡宮の池の蓮ですが、朝の清々しさを
もう季節はどんどん廻っていきますね

三色旗、トリコロールはお馴染みのフランス国旗!
先日の欧州サッカー決勝戦でも盛んに靡いていました、負けましたがー
リオオリンピクでも各国の国旗が打ち振られることでしょうね


ポーランドの映画監督、クシシュトフ・キェシロフスキの遺作
「トリコロール」青、白、赤の愛 三部作を観ました


「青の愛」 愁いをおびたジュリエット・ビノジュは
とても好きな女優、何本も観ていますが、いつも全身から
醸し出す雰囲気が絶妙で印象的な演技!
今回は自動車事故で夫と娘を亡くした妻
知らなかった愛人が妊娠していたり、様々な苦悩から
理性的で知的に自立していく姿!抑制した演技が
素晴らしかったー
「青」の精神の自由さを象徴してると感じました
何かに直面したとき、どう向き合えるか人間の
器が問われるのですね

フランス人の妻に離婚されたポーランド人の美容師
すこしコミカルですが、奇想天外な手段で妻の愛を
取り戻す!「白の愛」は愛に平等があるかーがテーマ
監獄につながれた元妻と同じ愛のもとで再び心を
通わせるラストシーンは感動的でした
ポーランド、ワルシャワの映像が想いで深いものでした

「赤の愛」 モデルで大学生のヒロインが、心を閉ざし盗聴を
趣味としている元判事の犬をはねたことから始まる
彼女の優しさにふれ、心の安らぎを得ていく老人
友愛、すべてを包み込む無垢な愛を感じさせる最終章!
この三部の主人公たちが、最後にドーバー海峡のフェリー事故の
生存者として登場ー絡み合った糸が奇跡のように紡がれる!
監督の愛のまなざしに心揺さぶれました

監督が眠る墓地、雪のころ訪れたワルシャワの墓地と似ていて
クラコフなど想いだしました、ナチ支配やソ連統治のことなど
暗示的で今のポーランド人の気質を想わせます
ワイダ監督の後輩にあたるのですが、ポーランド映画は
公開されれば観ようと心がけています
ワイダ監督作品も殆ど見ているつもりですが
心に残るものが多いですね


一気に三部作を観たので、遅いランチ
パリが舞台でしたからガレットとシードル!
疲れを感じないのは、余韻が心地よかったのでしょう

各作品にないかしら繋がるシーンが秘められている、
どこか謎解きのような趣が面白かったし
赤の愛のラスト、ヒロインの無事を知った元判事
名優トランティニャンの安堵した表情が秀逸でした
様々な愛のありようを突き付けられて愛を思い出し
「あなたの愛はなに色」と問われている!かとー