忙しいはずの年の瀬、あと2週間あまりなのに、なんと4時間半のーー

METのオペラヴュー「タンホイザー」を鑑賞!

いつも序曲は全篇のモチーフが散りばめられていていいなーと

でも圧巻は、この大広間での行進曲、ワグネリアンでなくても

高揚感を感じさせます



聖母マリアへ捧げるような、エリザベト姫への純愛と

ヴェーヌスの官能の愛との狭間で揺れるタンホイザー

舞台の山間の景色が、イタリヤ絵画のようでした

バリトンの夕星の歌や妖艶な管弦楽など聴きどころが

沢山ありました

聖女と妖婦!古今のドラマの共通項をなしていますね


ワグナーの宗教観や人種偏見などが気になりますし

狂信的なワグネリアンだったヒットラー、ワグナーの音楽の

甘美さを想うと複雑な感じになりますね



別に合わせて観たわけではないのですが

イギリスの名女優、ヘレン・ミレンの大フアンでーー

戦時下のウイーン、ナチスが侵攻し裕福なユダヤ一家が

身一つで追われます

米国へ逃れたマリア、1998年に遺言書により

伯母を描いたクリムトの「アデーレの肖像」を

取り戻す裁判をオーストリア政府相手に起こすー

そして2006年に返還の判決がくだる実話なのですね




数奇な運命を辿った名画、今はニューヨークの画廊にあるのですが

昔ウイーンで見た記憶があります

映画の冒頭、金箔が張られるシーンがあり故里を想いだしました

それにしてもナチスの略奪ぶりは驚きです 

いまも返還されない絵画や宝飾品などが数多あるようです

戦後70年、そう昔のことではない!し今も略奪に近い破壊が

中東などで続いている現実は厳しいですね

人間は過去からあまり学んでいないように思えてしかたがありません





オーストリアのXmas,マリア・テレジアがテーマでした

アウガルディンの食器で、優雅なテーブルを演出

色使いがすっきりしていいですね


来週こそ大祓いをしなければーーですね  笑