戦後70年! 節目という言葉が飛び交いました
そして若い世代に語り継ごうというが、各メディアの論調
体験として戦争をしる年代がもう80歳を超えている!
この終戦にいたる数日を描いた映画は、前作と比べ
ほとんどが戦争を知らない俳優たちですものね
笠智衆や三船敏郎などの重みのある存在感は無理ですが
後姿だけだった前作の天皇に実像を与え、阿南陸相の姿に
人間味を出させていたのが印象的ー
でもなぜもっと早く終結できなかったのか!とー
「軍をなくして国を残す」といった陸相の言葉は
よくよく考えて見なければと感じました
この日、まだ幼児期でしたが鮮明に憶えている断片
疎開先の村の一本道の疎水の傍で水遊びをしていた時
サイレンが鳴り、ギラギラした太陽、人っ子ひとり居ず
静まりかえった村の様子に怖くなり家に戻ると
祖父母たちが沈痛な面持ちだったこと!
玉音の原盤を聴くと、なにか不思議な感覚が甦りました
北陸の街で戦災も体験していないのですが、隣の県の街が
空襲にあい、空が赤くなっていたのを物干し台から
見ていた記憶などー
語り継ぐべきほどもないけれど、やはり憶えておくべきですね
黒木和雄監督の戦争レクイエム 三部作を観ました
どんなに時代がかわっても忘れてはならないことがある!
このメッセージが鮮明に伝わる秀作だと感じ入りました
時系列に観ると「明日」 長崎原爆投下の前日
戦時下で細やかな結婚式を迎え集う人たちの喜びや
哀しみを淡々と綴り、式を終えた若夫婦たちが
不気味な真っ赤な月を仰ぐのが心に残りました
明けて爆弾炸裂の映像ーこの人たちの命運を予感させ
人間は煙のごとくかき消されていいのだろうかとー
「美しい夏キリシマ」 監督の自伝的な回想でもあるようですが
15歳の少年が工場の空襲で友達を失い、なぜ自分だけが生き残り
行く先を見通せない多感な揺れ動く心情を、
美しい霧島の風景を対比させているのがある感慨をー
躾に厳しい祖父(原田芳雄)の昔の人の気骨を
感じさせ懐かしさを憶えました
「父と暮らせば」 原爆投下から三年経った広島!
井上ひさしの戯曲の映画化、優れた原作だなーと想わせます
宮沢りえ扮する九死一生をえて、「あの時の広島は死ぬのが自然で
何故生き残ったのか」とやはり自縛に苦しむ若い女性役
その父親で幽霊として登場し、娘の幸わせを願う原田芳雄
三作とも出演していますが、どれも個性的で秀逸、監督ともども
亡くなったのが残念ですね
野菜を刻む、擂鉢でゴシゴシ、水音など生活感のある音
最後この家は、原爆ドームの中にある!受難と復活を
象徴するような美術セット、優れた感性ですね
太陽の2倍もの熱線で、溶けてしまった者たちーあらためて
悪魔の兵器に晒された日本は、主張すべきことが沢山あるように
思います 近年の資料によっても、投下される必要はなかったとー
歴史にIFはないけれど、終戦まじかで散っていった若い命の
多さに言葉を失います
早逝したチェリスト「ジャクリーヌ・デプレ」 この猛暑中に咲きました!
薔薇でないように見えますが、白い花弁、蕊が可憐で素敵です
沸々といろんな想いで過ごした八月の鎮魂の日々の慰みになりました