春空の大気が不安定な夜でしたが、久しぶりに国立小劇場へ
36年目になる新進の鑑賞会
といっても初期に出演した人たちで、いまやベテランの演奏家!
清元節で「神田祭」素踊りでおかめとひっとこの面を
付け替えて演じ分け,男気ある鳶頭に惚れてしまった女心
目力がきいていた鳶のいなせな立姿が粋でした
来月、神田祭は本祭で賑わうのでしょうね
聴きたかった新内節「鬼怒川物語」の土橋の段
伊達騒動と累伝説を綯い交ぜにした物語で
なかなか複雑なのですが、鶴賀若狭掾の浄瑠璃が
素晴らしかった! 筋がすっきりと心に収まるような語り
さすが人間国宝ですね
立三味線のしっとりとした曲調に悲痛味のこもった新内
土橋の上演は稀だそうで、よい機会に恵まれました
一中節「家桜傾城姿」 舞台一面に桜の大木があり
桜の下から浮かび上がる幻想的な雰囲気でした
曽我十郎が林間で桜の枝を焚くと、恋人の大磯の虎
つまり傾城の霊が現れてクドキになります
「春の日の惜しきは人の心やな、可惜桜のはんらはらはらはっと
入相の鐘をつくづくとーーーー」ゴーーン
こういう詞章にはゾクゾクしますよね!
日本人の感性をくすぐる仕掛けかもしれません
最後は長唄「二人椀久」和歌、謡曲、流行り唄などが引用され
唄、三味線ともに技量が試される大曲
演奏だけで聴くと、より迫力を感じさせます
心に叶う演奏会、しばらくは邦楽尽くしになりそうです
京都の都おどりに行った友人のおみやげ「霜ふり昆布」美味
桜落雁は名残の八重櫻で色目を濃いめにしました
來春まで使わない型ですものね
この春は山桜に逢えずとても心残りでした
もう若葉やつづじが咲き始めて、季節は移ろっていきます