神去月ー神在月とも言うようですが、もう晦日になりました
山茶花は初冬の趣、花言葉は「困難に打ち勝つひたむきさ」と
ありました

秋はいろいろ企画展が多いです、この時代劇祭で
もう半世紀前?に観て感動した映画を鑑賞!

「人情紙風船」 昭和12年制作で山中貞雄監督の遺作です!
黙阿弥の「梅雨小袖昔八丈」 髪結新三 が元本です
歌舞伎調ではなく、深川の貧乏長屋を舞台にとてもリアルな現代調
若き日の中村翫右衛門の新三は、小気味のいい義侠心のある小悪党
原作にはない零落した浪人は河原崎長十郎ー前進座の役者たちは
とても達者で口説がいいので古いと感じさせません
髷をつけた現代劇といわれるのがよくわかります


新三は、閻魔橋で、縄張り争いで対立する親分と切り合いになるさい
新三の覚悟のほどに凄みを感じました

隣の浪人は、妻に切りつけられ無理心中する
あえて妻の手にかかるように見えた、背中を見せている演技が抜群
侍の矜持を捨てても妻女の誇りを叶えさせてやるようにー
ともに最期は映さず、余韻を残してまるで中断したような終わり方
すべてを語りきらずに終わらせるーとても優れた演出に思えます
昔と同じような感銘を受けました!
雨のシーンの艶やかでしっとりとした情感あふれる画面も秀逸でした

エンディングの長屋の溝に、浪人夫婦が手内職の紙風船が
流れていくー誰もが漂い沈んでいくような暗示でしょうか
この時代の閉塞感を象徴しているように哀れに想いました

山中監督は公開されたこの映画のあとすぐに召集され中国へ
パンフにあった戦線で寛いでいるような監督、でも翌年29歳で戦病死!
夭折の天才監督といわれていますが、戦後もっと制作できたでしょうにー
そして生誕100年が過ぎてしまったのですね


近くのカフェのハロウイーン飾り
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ここの外国人のお家、毎年賑やかです
今頃はちびっこ魔女たちがキャンディを貰いに集まっていることでしょう
いろいろ不満や閉塞感ありの日本ですが、なんだか平和!にみえますね