先週末佐渡へ、以前から能舞台が多いことなど関心があり
昔からの友人を訪ねる目的もあって旅立ちました
櫻のトンネル、丁度満開でした やはり北国の春のように
木蓮、山吹、水仙などが咲き競っていました
残雪の山々!
田んぼが
ひりがるなかに
鎮守の森が
目指す大膳神社
この能舞台で
春の奉納が
あると知り
どうしてもとー
佐渡は大きな島ですね
新幹線、高速フェリーと
乗り継ぎ、さらにBUSに
揺られて計5時間あまりー
やっと辿りついた感じー
思いつきの旅にしては
遠くにきたものー苦笑
茅葺の優美な趣の能舞台!
杉木立のなかにひっそりと建っています 神社の縁起も興味深い
どうも式内御食神社であったようです とにかく由緒あるものらしい
正殿の大神は農業,豊穣の守護神、古来産土神として尊ばれたこと
大膳坊は、配流された日野卿の一子の仇討を助けたために処刑
でも悔い畏れた城主により合祀されたことなど面白いですね
日輪のある鏡板
すこし新しく見えるけれど
古い板を復元したもの
日輪の配合は珍しい
やはり信仰的な
影向なのでしょうか
記録として残る番組は
文化年間ですから
それより数十年遡ると
考えられているそうです
狂言鷺流の「清水」
半能で「高砂」
囃子方も素人さん
でも手造り感ありで
とても微笑ましく
ご近所のお祭りみたいで
和気藹々とした雰囲気!
ござの見所ではお花見弁当が
広げられそうな趣でした
謡いや囃子の音に
鶯が唱和していて
能舞台の原型に出遭った感じでした
改めて佐渡に能が根付いていることに関心を持ちました
江戸時代には
天領として
金銀の採掘で
発展した町ですが
いまはとても静かな佇まい
佐渡金山の玄関口
見学コースはよく整備され
分かり易いー人形が生々しいけど
資料館に大きな昔の絵馬能舞台が描かれ
この相川でも能が盛んだったことが覗われます
1601年開山で平成元年まで採掘された金銀山
400年にわたる歴史、きっと富の蓄積も大変なもの
だったと思われ、江戸幕府の直轄地としての
自負や文化の豊かさを偲ばせています
佐渡の能は江戸期に奉行所がおかれたころから
盛んになったと記されています
一方1434年、将軍義教により佐渡に流罪となった世阿弥
1442年ごろ帰洛して翌年43年に81歳で亡くなったとー
苛酷な晩年! それでも「金島書」を残しており
その足跡はほとんど残っていないようですが
どういう風に島で暮らしていたのでしょう
逆境を生きながらえることが出来たのは
佐渡の海や自然の豊かさかもと感じました
相川春日神社の再建された能舞台
この復元に携わった方の案内で舞台を見せてもらいました
実現したもの
まさに「おらが能舞台」
ですね!
島内の古い能舞台が
倉庫となっていると聞き
移築するプロジェクト!
でも資金がいるー
行政の援助は
望めない現実
色々な人達の手助けもあり
実現した苦労話!も興味深かった
古い鏡板とおりに
地元の絵描さんが
描いた松 雄渾でしたよ
古材は梁や柱に生かされて
いました
夏には薪能も
維持し継続していくことは
大変でしょうが頑張ってと
声援を送りたくなります
世阿弥が教えたり舞ったりした
記録はないようですが
世阿弥の能という刷り込みが
伝承され、300もの舞台があり
いまも30以上の能舞台が
残っているその不思議さに圧倒されました
次は薪能のころに旅をしたいですね
「うぐいすも唱和してたり能舞台
高砂舞いて佐渡の春かな」 みみ卯