折々の言の葉


すっきりしない水無月の入り、水月でもあり入梅ですものね

近くで植木市があり出かけました

思いがけず山野草が沢山ありました


折々の言の葉

折々の言の葉

園芸種としての花ですが

山野草はどれも愛らしい


ついつい欲しくなるのですが

夏場の留守に枯らすので

ぐっと我慢ー



折々の言の葉

折々の言の葉

これからの山道でも

みかける蛍袋!


子供が蛍をいれて

遊んだからとー

命名も可愛いですね


カンパニュラよりよほど

風情がありますね



折々の言の葉


沙羅双樹といわれるけど、実は夏椿!

平家物語の「祇園精舎の鐘の音、諸行無情の響あり

  沙羅双樹の花の色、盛者心滅の理をあらわすーー」


ここでの沙羅双樹も夏椿であっただろうと聞きました

ぱっと咲いて一夜で落ちる春の夜の夢のごとしーの花


小さな蕾を茶花とするのも、蛍袋とともにこの時節ならではー

なかなか書ききれない想いでしたが、能「藤戸」について

錦絵もありましたのでー


折々の言の葉



折々の言の葉

平家物語の「藤戸」の後日譚で

世阿弥の作


源平合戦のさなか

藤戸の渡りを知るために

浅瀬を教えた若い漁夫を

他者に教えないよう

無残にも刺殺し

海へ沈めた佐々木盛綱



折々の言の葉
先陣の軍功で得た、藤戸沖の

いまは陸つづきの備前の

児島庄に入部するワキ(盛綱)


前シテは、無情に殺された子に

悲嘆にくれる母!

クセで激高した老母が詰めより

盛綱に拂われ「伏し転び」ながら

「我が子返せ給へや」と

両手を差し伸べてキット見据えるー

沈めた辺りの海を見やり

「こはそもなんの報いぞ」とシオルなど

見どころの多い所作が切ないですね


どうせ生きていても辛い我が身、亡き児と同じように殺してとー

この母に応える術はないと想わせますー


ワキは少しは憐れんで、管弦講供養を行います

後シテは、漁夫の亡霊で恨みはつきずと斬殺の有様を語り

「氷のごとき刃を抜いて、胸のあたりを刺し通し刺し通さるればー」と

凄惨を極めるところも見どころなのですねー

折々の言の葉


「河津」の面はより怨みの強い妄執に見合っていました

でも盛綱の思わざる弔いに心和らげて

成仏の身となりぬるという、能らしい終わりになります


悪龍となってとまで報復を思っていたのに

簡単に解脱してーと書いている評もありますね


でも世阿弥は、武士階級のエゴばかりでなく

恩を仇で返すのは人の道にもとることを

非難しているーと感じました

罪ー報いー妥協   この構図は今もーと

思わせます

「妄執の 暗闇にあるこころかな

       徒波の底に浮きつ沈みて」 みみ卯


折々の言の葉


藤戸には藤戸寺があり沙羅の寺と言われているようです

夏椿が植えられており、平家も兒嶋を追われ八嶋へ

そして滅亡の道を進むことになるわけですから

弔いの花に相応しかったのでしょうか


折々の言の葉

つい誘惑にまけて、蛍袋を買いー 笑

でも当分愉しめますね

ついでにヒマラヤの塩もー


折々の言の葉
使いすぎはよくないけど、とても美味しい味の塩です!