折々の言の葉


久しぶりにチェロの演奏会へ出かけました

このホールは、昭和29年に建てられたもの

58年前!戦後まだそう豊かでなかった時代ですよね


折々の言の葉


前川国男氏の設計で、ロービーや外観はル コルビュジェ風!

各地に沢山の作品がありますが、確かに東京文化会館の

雰囲気と似ています


折々の言の葉


木調のホール、1106席で、当初から音響のよさで定評があったようです

確かに柔らかい響きで、演奏者も自然な響きが好きだと言っていました

すこし末枯れた雰囲気が落ち着いていていいですね


藤原真理氏はとても自然体でラフな感じで、解説を交えながらの演奏

ベートーヴェンのチェロ・ソナタ2番や魔笛による変奏曲

スペインやイタリヤの民謡素材の小曲など懐かしい曲

又シューベルトのアルペジョーネ・ソナタははじめて聴きました

アルペジョーネは19世紀に考案された楽器で、外観は小型のチェロ風

でも現在は伝えられてない幻の楽器!演奏者も見たことがないそうです

チェロにおきかえると、ピッチや弦の関係上、飛躍もおおく難度の高い技術が

要求されるようです

スラブ風の哀愁にみちた主題、ピアノとのロマンティクな掛け合い

憂いを秘めたコーダなど美しくとても聴きごたえはありました

満員の聴衆から盛大な拍手を受けていました

チェロの愛好者は多いのですね

折々の言の葉


ロビーでは地区の作業所の人達の制作品を販売していました


折々の言の葉


ウサギのフリントされた布巾とジンジャーとカボチャのビスケットを購入

あまりにも安価でびっくり!ーささやかな事しかできませんがー


折々の言の葉

ここ何年もチェロの演奏会は逃さないようにしています

こじんまりとした趣のあるLondonのWigmore Hallへは

一時間のランチタイムコンサートなどもありよく通いました

チェロは演奏スタイルがとても能動的というか情動的ですね

情感にあふれた演奏者をみていると、ほんとうに心を揺さぶられる感じ!

このホールは舞台がドームになっており、ステンドグラスがあって

とても素敵!Barや食堂でのテータイムもよく利用しましたね


いま取り出したCDは手前が Jacqueline du Pr’e

彼女は1987年に若くして亡くなった伝説的な演奏者!です

健在なら今も演奏活動をしていたことでしょうね 残念!

バッハの無伴奏は残っていないらしいので、これも残念至極

この曲は Cassado のCDで時々聴きます

この日は恩師カザルスへの敬愛の気持を込めた曲

カサド作の「信愛なる言葉」が演奏されました

故国カタロニア地方の優しさと強い追慕にあふれたものでした


普段、能の音曲や邦楽を聴いたときとは違う脳の部分が

刺激されるというか、とても心地よい!と感じるのですがー

あまり科学的ではない感想ですね

次の機会を愉しみにしましょう!