事始めではないけれど、もう年末に向かい家のことを
始末しなければと思いつつ、つい出かけてしまいました
でもなかなか興味深いよい一日になりました
これは早稲田演劇博物館!
坪内逍遥の尽力で、昭和3年!に、シェイクスピア時代のフォーチュン座を
模して建てられた歴史的建造物で,黒光りしています!
よく残っていると感心しましたが、歩くたびにギシギシと軋むのがいいですね
企画展「世阿弥を継ぐ」を観て、講演を聴きました
対談は15世観世元章の足跡ついてでした
画像をみると目玉が大きく個性的な風貌!
目玉観世と称されたようで、考証好きの風変りな太夫として
功罪こもごもあるということでした
江戸時代の国学偏重から明和改正謡本(これは悪評で死後廃止)
中世ぎらい?のように言葉を古事記や万葉からとり激しくかえたことは
弟子筋からも反発されたということです
しかし中興の祖として、家元制度の確立、演出の工夫や作り物など
現行の能の小書をみても元章創始がおおく革新的だったようです
元章作の若女面、実物を見せてもらいましたが、とても現代的な美女でした
実演は自作能の「梅」の舞クセでしたが、確かに文言は難しいけれど
独特の節附けで、音域が広く能は音曲であることが実感されました
「鶯の聲ものどけき春風に
梅の匂ひや天に満つらん」 元章作らしい
小さくてわかりにくいのですが、左側の長絹は桜梅、右のも梅文様で
代々使用している装束だそうです
文言が難しいこともあり、弟子たちは中々やりたがらないので
あえて一年に一回は自ら演能すると言っていました
一子相伝の[高砂」の八段の舞など緩急の緩いほうがしんどいとか
ビデオが映しだされ、その囃子が懐かしかったです
洒脱な話しぶりで面白かったけど、宗家っていろいろ大変なのですね
博物館はまたゆっくり見学したいと思いましたし
忙中閑ありのひとときでした