折々の言の葉


9月のはじめに帰国、蝉しぐれを懐かしく聞きつつ

田畑や山々がなんとも柔らかく目に映りました

でも台風の爪痕はまるで津波のようです

東北の被災地の復興も遅々としているようで

少々暗い気持ちにもなりました


でも12日の中秋の名月、くっきりと濃く浮かんでいました

時差ぼけでお供えもせず、唯眺めておりました

旧暦では八月ですが、古来観月の宴はとても大切な行事

十三夜には豆や栗を供えてお月見をしようと思います

今年は10月九日と書いてありました

毎年日が異なるのも面白いし、月には古くより秀歌が多いし

月の異名も趣きがありますね


15夜から数えると、この港の月は十六夜、立待ち月,居待ち月とすぎて

臥し待ち月になります

都会の明かりにまけずに煌々と輝いておりました


西行法師も月をとても沢山詠んでいます

8月15日夜   「山の端を出づる宵よりしるきかな

               こよひ知らする秋の夜の月」

          「大かたの秋をば月につつませて

               吹きほころばす風の音かな」等などー


また紀伊半島に新たな台風の大雨とか、自然現象も

もっと穏やかであってほしいと願うばかりです