折々の言の葉


いつもより早い梅雨入り、雨音を聴きながら皐月時雨の旅を想いだした

山霧がわく山なみに囲まれた小さな城下町、川沿いの蔵つくりの家並み

その蔵店で、大正生まれの美しく齢を重ねられた佳人としばし歓談した


童女のような女人は、淡々と激動の昭和史を語り継ぎ、いまも残る

地方文化の馥郁たる花の香りを漂わせていた。

いまは三好達治の「春の岬ーー」のここちですと微笑えむ姿が印象的でした

時代の語部として、ばぁーばと慕う孫たちのためにも白寿までもお健やかでと

祈っております。

これからも新しい出会いや日々の感動を綴ってまいります。


         「山波に山霧たちて

                青衣のをみなごあはれ

                    花びらながれ」



折々の言の葉