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【 テーマ「かこ」について 】

「かこ」では、私が2008年9月に経験した交通事故について綴っています。

 私自身がこの貴重な経験を忘れてしまいたくないから。
 毎日毎日起こり続ける交通事故、そのひとつひとつ痛み・重みを
 少しでも多くの人に知ってもらいたいから。
 そしてこの経験を踏まえたうえで、
 毎日を楽しんでいる人がいるんだということを知ってもらいたいから。

主観とエゴのかたまりかもしれませんが、お付き合いいただけたら幸いです。

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1ヶ月半の間を過ごした病室を出た。

ヤスに車いすを押してもらいながらナースステーションの前を通るときは
看護師さんたちが「がんばってね」と言って手を振ってくれた。




1階の玄関口まで行くと、私は車いすを乗り替えた。

新潟市までは高速道路を使って2時間以上かかるので、
少しでも楽に移動できるよう、リクライニングできる車いすを貸してもらったのだ。



大型の福祉タクシーが到着するのを待っていると、
事故の相手のOさんご夫婦が来た。

おびえるように隅のほうで立って何か言っていたけれど、
何を言っていたのかは覚えていない。

私は目を合わせなかった。




やっと到着した福祉タクシーに乗せてもらい、荷物も一緒に運び入れてもらった。

母も福祉タクシーに乗り込む。


ヤスはヤスのご両親と一緒に自家用車で新潟市へ向かう。




運転手さんの「出発しますね」という声のあと、
ゆっくりと車が進みだした。


Oさん夫婦は並んで頭を下げている。




事故から約1ヶ月半お世話になった病院がだんだんと遠くなる。



いつも優しい主治医のO先生、
笑顔でお世話して、励ましてくれた病棟の看護師さんたち、
底抜けに明るく笑顔の絶えないリハビリの先生たち、


みんなみんな、ありがとう。