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【 テーマ「かこ」について 】


「かこ」では、私が2008年9月に経験した交通事故について綴っています。


 私自身がこの貴重な経験を忘れてしまいたくないから。


 毎日毎日起こり続ける交通事故、そのひとつひとつ痛み・重みを

 少しでも多くの人に知ってもらいたいから。


 そしてこの経験を踏まえたうえで、

 毎日を楽しんでいる人がいるんだということを知ってもらいたいから。



主観とエゴのかたまりですが、お付き合いいただけたら幸いです。


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小さな幸せをたくさん見つけて、平和な日々を送っていたある日。


看護師さんから嬉しいことを言われた。



 「今日、ギブス取ろうか」



事故後数日して左腕の親指が骨折していたということに気づいた私は、
左手の親指から肘までをギブスでがっちりと固定していた。


そのギブスを、取ることができる!


入院中、私にとって一番に嬉しいことは友人たちからの励ましで。

二番目に嬉しいことはやはり、からだの回復だった。



しかし、やったやったぁと喜んだのも束の間。


看護師さんが持ってきた道具は、私にはチェーンソーにしか見えない。



「これ…切るんですか?」



恐る恐る聞く私に対し、看護師さんは笑顔で答えた。


「そうだよー。
皮膚は切れないようになってるから大丈夫!」


大丈夫と言われても、なぜ皮膚が切れないのかもわからないまま安心することはできない。


けれど、ギブスははずしたい。





…背に腹は、変えられない。




私は看護師さんを信じて、そのチェーンソー(にしか見えない道具)を受け入れる決心をした。


看護師さんが、「いくよー」と笑顔でスイッチを入れる。






ギュイイィィィィーーーーーン