九月二十二日に国立劇場で開催された杵勝会に行って来ました。
ネットで知り合いになった方がご出演という事で、その応援です。
先代の七世杵屋勝三郎氏・・・つまり杵屋勝作氏は本当に口惜しかったでしょうね。
ご子息の晴れ舞台。勝作氏はまだ十代の時に杵屋勝三郎という名跡を継がれたそうです。
色々な意味で様々なプレッシャーそして、ご苦労があったことと思います。
そして、やっとご子息にその名前を譲られて、その襲名の会は本当に楽しみだったと思うのですよ。
八世杵屋勝三郎氏。私はあまり良く存じ上げませんが、まだまだ長唄の世界では若手ですよね。
本当に頑張ってほしいです。
さて、お囃子の方も世代交代の兆しを感じました。
かなり若手の方が活躍。堅田喜三久先生のご子息である堅田新十郎氏が大奮闘されていました。
ちょっと前までは、杵勝会というと故望月朴清氏や堅田喜三久氏が大活躍。中堅の望月左太郎氏、望月左武郎氏などの先生方が控えて・・・でした。けれど、今は中堅だった先生方もベテランとなり、次世代の方々を支えているという感じ。時代の移り変わりを感じます。
後半に将来の名人たち・・・つまり、有名な演奏家のご子息ご息女の方々で「ともっやっこ」を演奏。
かえるの子はかえるですね。可愛いを通り越して素晴らしかったです。
あと二十年、三十年経つと彼らにバトンが渡されていくのでしょうね。
今は若き(?)エースたちが、その頃は彼らを支えていくんでしょうね。
邦楽はそれが醍醐味ですね。
普段、私はあまり長生きしたくないと思っているんですが、これを思うと少しでも長生きしたい気持ちになります。
杵勝会にはたくさんのスターが勢ぞろいしています。
ですから、あまり余所の協力を得なくても十分な演奏ができますよね。
それでも、せっかくお金を払うならと・・・
長唄界のスターたちを注文でという方がいらっしゃるのですね。
とある方の『勧進帳』。杵屋喜三郎氏、ご子息の杵屋直吉氏と豪華な上に、唄の止めのところになんと芳村伊四郎氏が座っていました。ちょっと・・・ちょっと・・・と目を疑いました。
世の中にはこんな贅沢な舞台を実現できる方がいらっしゃるのですね。
さて、知人は『安宅の松』を演奏されました。
とっても立派に演奏。安宅はけっこう難しい曲なんですが、落ち着いて難しさを感じさせない演奏でした。
すばらしい。あんなにあっさり難曲が弾けちゃうなんて・・・
また、彼女の演奏を聴きたいなぁと思いました。
本当におめでとうございました。