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長唄
(1992/04/21) 今藤長之、杵屋禄三 他 商品詳細を見る |
今藤長之が亡くなって随分になります。まだまだ亡くなるのは早い年代で旅立たれてしまった。
今は、ここまでの天使の歌声の方はいない。長之氏の声は日本の宝だったと思いますね。
亡くなった大皮の師匠の奥様は師匠の後妻さんである。
師匠と二十歳くらいの歳の差があったように思いますね。実年齢をよく知らないのですが・・・。
北海道ご出身で、北海道で日本舞踊や鳴り物のお稽古をされていたそうです。
そんなこんなで師匠に出会ったようですね。小泉今日子に似たキュートな女性でした。
そんな奥様が、師匠の事が大好きで大好きで
恋愛時代に毎日毎日師匠の事を思って聞いていたのが、この今藤長之・芳村伊十七コンビの『勧進帳』なのだそうだ。
私たちが大皮の師匠に入門した際、まだ新婚ホヤホヤ状態で
エミちゃんや私を可愛がってくれたものです。
そして、師匠との出会い当時の思い出のあるこのレコードを録音して、
「結婚する前に毎日毎日聞いていたの。本当にいい録音だから聴いて頂戴」と下さったのが、この『勧進帳』だ。
この『勧進帳』の大皮は亡くなった大皮の師匠である。タテ小鼓は現人間国宝。師匠の幼馴染であり、友人であり、流派のトップであり、そしてライバルという感じだった。
この録音を聴いていると、本当にこの二人は良きライバルだったんだろうなと思う。
後半の男舞から延年にかけての二人のバトルに聴き応えを感じる。本当に素晴らしい。
この主役の二人の演奏だからこそ、師匠たちの大バトルが浮いた感じにならずに素晴らしい音楽に聴こえる。
さすがに伊十郎全集録音時代からの仲間だから・・・みんながみんなお互いの事を分かっているんでしょうね。だから、それぞれが全力で安心して表現できる。いいですね。こういにうの。
みんながみんな全力を尽くしての演奏。。。そういうの経験してみたいなぁ。