この本は数日かけて通勤電車で読んだのですが、なかなか途中でやめたくなくて、
電車を降りたあとも未練がましく持ち歩いちゃいました。
近藤史恵/昨日の海は

平凡な日常を送る主人公の男子高校生が、叔母と従姉妹の移住により、
日常に隠されていた自分の祖父母の死の謎を解くまでの半年間を描いた話です。
帯には青春ミステリーとありますが、個人的には女心を理解できないタイプの
主人公をあえて持ってきて、裏にあるどろどろした感情に深入りしないことで、
結果として重くならなかったミステリーなのかな、と思いました。
おかげで読みやすいけど少し陰のある話になっていて、私の好みでした。
最後にちょっとしたどんでん返しもありますし🎵
本の中で、平凡な日常から、謎を解いていた嵐のような日々を、
主人公の間近にある海になぞらえて、静かで凶暴な海と表していて、
それがとても似合っているな、と思いました
