今回の本は、周りの人が皆知っているのに、自分だけ知らない不安を
描いた本なので、ドキドキしながら読みました。
近藤史恵/私の命はあなたの命より軽い

タイトルがすでに重い(笑)
臨月の主人公は、思いがけず里帰り出産をすることになってしまい、
実家に帰ると、実家の父母と妹がなにかを隠している不安におそわれ、
自ら真実をさぐろうとするが…という話です。
そのなかで、妹と父母が決定的に決裂していることを知り、
妹に味方して終わり、かと思えば、最後に更なる不安を掻き立てる描写が…。
個人的に、ピリリとわさびを効かせたような不安な終わらせ方は
女性の作家さんが得意とされていると思っているので、
今回のは正にそれだなぁとエンディングで納得しました。
でも、こうした描写があってこそ面白い本になっていて、
これがないと、あまり印象に残らなかっただろうなぁと思うので満足です。
今もう一冊彼女の本が積ん読になっているので、そちらも楽しみです
