最近の職場での出来事。
いくつになっても恋をするって素敵だなと思ったことがありました。
同居していた息子さんに先立たれ、お嫁さんがお孫さんを連れて出ていってしまい、お一人暮らしになってしまった80代の女性利用者さま。
元々噂話やお話好きな方なんだけれども、どうも話を悪い方向に取られてしまう癖がある方でね。
口を開けば、近くに住む娘さんの悪口や、ご近所様の悪口、デイの悪口、ご利用者さまの悪口など
聞かされる方はストレスが溜まる、溜まる。
そんなある日、うちのデイに認知症はあるけれど、背の高い、カラオケ上手の男性利用者様が入ったのよ。
甘い歌声の優しい男性でね。
昔はモテただろうな
って感じなのよ。
で、ある日、気づいたの。
噂話好きの女性利用者様が、いつの間にかその男性利用者様の隣に座っているのを。
席が離れていても、男性利用者様の隣の方が席を外した瞬間、隣にスッと座りに行くのよ。
そして、いつの間にか、その女性利用者様、
他人の悪口を言わなくなってた！
そしていつも笑顔！
でね、この間、おもしろいことがあってね
女性利用者様に、うちのスタッフが、
「午後から紫陽花観に行きませんか?」って
午前中にお誘いしたの。
で、すぐに「行きたい！」って即答。
みんな、外出大好きだからね
昼食を終えて、紫陽花鑑賞希望者様の名前を玄関脇に貼ったのよ。
車にトイレを済ませたご利用者様を誘導していたら、女性ご利用者様が近づいてきて
「やっぱり行かない。疲れちゃったから横になる
」と。
そうか、じゃあ、次の機会にねと伝え、
空いた席にもう一人乗れるよ、誰かやはり行きたいって方いますか？って声をかけたら
男性利用者様が挙手。
スタッフが迎えに行ったら、断ったはずの女性利用者様が、男性利用者様の後ろをトコトコ付いてきたの。
ドライブ担当のスタッフたち、えっ！？
って
顔してるんですけど
「行かないって仰ってましたよね?
」
「やっぱり行きたくなってきた」
焦る担当スタッフに
背後からベテランスタッフの鶴の一声。
「本日の受付は終了いたしました！またのお越しをお待ちしています！はい、横になりましょ!」
「あっ、はい」
好きなんだね。本当に好きなんだね
笑顔が増えて明るくなったもんね
「次回は一緒に行けるようにしますからね」と
ベッドで休まれてる女性利用者様に声をかけに行ったら
「じゃあ、お願いしちゃおうかな〜」って
否定しなかったし
デイサービスに来なかったら、多分この女性利用者様は孤立してたんだろうな。
最初は口を開けば悪口ばかり、顔は怒り顔で、どうなるんだろ?って思ってたけど、
こんなに素直に明るく変わるなんて
娘さんもお母さんの変わりように驚いてたよ。