それから竹内さんは、なるべく距離を取りながら仕事をしてくれました。
しかし、坂本さんの恋心は募るばかりだったようで。
しばらくすると火野さんに
「俺は自宅に帰る。帰りたい。」
と訴えるようになった。
確かに厨房さん達の栄養管理のお陰で、高かった色々な数値は下がり、血糖値の数値も下がった。
しかし、まだまだ私達から見たら一人暮らしなんて到底無理![]()
食事はどうするの?
スーパーまで歩くの大変だよ?
矢継ぎ早のスタッフの質問に
「大丈夫
自転車を買うから
」と坂本さんは笑顔。
自転車![]()
馬鹿言ってんじゃないよ!
やっと歩けるようになったのに自転車なんて怪我するからね![]()
それから、坂本さん、ケアマネさん、火野さん、うちの機能訓練士である塩田さんと話し合いの場を設けたの。
どんなにケアマネさんが諭そうとも
「自分で何でもできる!
」の一点張り。
挙句の果てには
「血液の検査の数値が良くなったのも自分の努力で、施設のお陰ではないから〜
」
と宣いやがった![]()
さすがにケアマネさんもぶちギレ![]()
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「もう勝手にしてください。では今日限りでケアマネとしては関わりがなくなります。よろしいですね?」
「はい
これからは、全部自分でやっていきますから、関わらないで大丈夫です
」
坂本さん、また随分能天気だなぁ![]()
善は急げ!と坂本さん、その日のうちに退所。
本当にやっていけるのか?不安だらけで見送ったあの晩。
でもね、ケアマネさん、何だかんだ言いながらもしばらく、担当降りてからも自宅に様子を見に行ってくれてたんだよ。
火野さんも自宅まで様子を見に行ってくれてたし。