ある日、厨房のおばちゃんから
「最近、厨房の冷蔵庫内にやたらとデザートとか飲み物が入ってるんだけど、誰のか知らない？
」と、聞かれた。
厨房の冷蔵庫って食材を入れるから、個人の飲食物は事務所の冷蔵庫に入れなきゃいけないのね。
誰だろう?わかんないな。
「ちょっと見に来るかい?見れば誰のか判らないかな？」
そう言われて、厨房に入り、冷蔵庫を開けてビックリ!!
冷蔵庫の一番上の棚がまるでコンビニ状態
陳列棚みたいだね
「でしょ?プリンにゼリー、ヨーグルトもあるよ。飲み物なんかも色々種類あるんだよ
この日曜日に誰か入れたみたいなんだよね
」
厨房は日曜日だけ不在だからね。
でも誰がなんの為に？
そして、その日の夕方、誰が入れたか判明したの。
「あー疲れた誰でもいいから、手のあいてるスタッフ、飲むヨーグルト買ってきてくれよ!」
そう言って火野さんが事務室から出てきました。
「じゃあ、俺、行ってきますよ!」と若いスタッフが席を立つと
「ありますよ!
」と矢口さん。
すると矢口さん、厨房に行き、
「どれがいいですか?
」と
数種類の飲むヨーグルトを出してきたの
「用意がいいねぇ!」と火野さん。
嬉しそうな矢口さん
矢口さんだったのか
「火野さん、プリンとかもあるんで、食べたかったら言ってくださいね
」
あぁ、目が、矢口さんの目がハートになってる
尽くすタイプなんだ、矢口さんって
あの、矢口さん、厨房のおばちゃんがね、食材が入んないって、朝クレームを言ってましたよ。片付けてくれないかなって。
「えぇ～、どうしよう火野さんの好みがわからないから色々種類揃えちゃった
」
やっぱり、好きなんじゃん
仕方ない!厨房のおばちゃんの為に、リサーチするか!!
火野さん、飲むヨーグルトはイチゴが好きなんですか?
「俺は、イチゴしかほぼ飲まないね。」
プリンは?
「とろける系。」
ゼリーとかは?
「あんまり好きじゃないな。ヨーグルトは飲むのが好きだし。」
へぇ〜。食にこだわりがある方なんですね。
「パンは惣菜系。特に焼きそばパンな。アイスは普段食べないけど、食べるとしたらハーゲンダッツのラムレーズンだな。」
自分から話してくれてラッキー
詐欺に引っかかりやすそう。
「ワタシは！？」
私？私はこの身体を成長させる為に普段からお金をかけてるから、光り物のお刺身以外は何でも食べますよ!こだわりはないです!
(母よ、こだわりのない娘に育ててくれてありがとう
でも光り物だけは無理)
矢口さん、今よ！今すぐ厨房の冷蔵庫から片付けて!!
そして明日から事務所の冷蔵庫に
火野さんの好物をストックするのよ!
余計なものは買わない!!
どうせ食べないんだから
お金の無駄よ!
心の中で叫びながら、アイコンタクトしたわよ
翌日から事務所の冷蔵庫には
飲むヨーグルトのイチゴ味
ハーゲンダッツのラムレーズン
矢口さんのロッカーには毎日焼きそばパンがストックされていました