みんな、元気っすか?

 

私の大好きな朝日新聞の日曜版で、「興味深い話」を見つけたので紹介させてください。二つあります。

1/ 本誌の方に載っていましたが、昔よくNHKの相撲解説で登場されていた元同局アナウンサーの方。
名古屋場所は昔はエアコンがない体育館でやっていたからそれはそれはい大変だったとの話を導入に、高見盛関という初の外国人力士が大関になったのもこの名古屋場所であったが、勝てばはしゃいで大喜びばかりしていて全く見ていられなかった高見盛が大関昇進を決めた一番では、大きく喜ぶ姿勢を見せずにおとなしい反応で、これこそが相撲文化の勝利だと思ったと。
曰く、相撲とは抑制の文化でり、勝っても驕らない、負けても塞ぎ込まない、ここに美学があると、述べておられました。

2/ 私の好きな寅さんの山田洋二監督、月一回ペース位で日曜版に連載されてます。
寅さんのOP曲に出てくる帝釈天の和尚の役の笠 智衆さん、彼との思い出について述べられてました。

森繁久彌さんと笠 智衆の話をしようとしたときに、森繫さんに「私みたいなつまらない役者の前で笠 智衆さんの話をしないで下さい」と言われたエピソードや、なぜか業界人に大人気の「東京物語」で演じた東京の父親の役は、ロボットのように小津安二郎監督の指導の通りに動いただけだといったエピソードを披露。
つまり日本人が本来憧れている「無欲の人」を体現した人だと結論していました。
勿論、昨今の日本人が金だ権力だ物欲だにまみれていることを嘆く事を忘れていませんでしたが(笑)。

NHKの解説者の抑制の文化とはよく言ったもので、その昔本場所で、北天祐が兄弟子の北の湖の星をよくする勝ち星を手にしたとき、土俵下にいた北の湖と目が合い「ニヤリ」したシーンを覚えています。
少なくてもカメラの前では笑ったことのない二人のアイコンタクト、しかも本番中に(相撲の)、いいシーンだなって思いました。

地位も名誉も業績も手にしてる山田監督が、「若者よ、無欲になれ!」って言われてもねぇ(笑)。


さて、都知事選のみならず、自民党も野党も今一つ人気者が出てこないのは、上記の1/と2/が足りないからかもしれません。

第二次安倍政権が人気があったのは、少なくとも「無欲」に見えて、また、地声が大きくてが鳴り建てている政治家に比べて抑制が効いているように思えたかもしれませんね。

またね