イスラム国と1930年代 | 不破大仁事務所のブログ

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http://www.amazon.co.jp/政友会と民政党-戦前の二大政党制に何を学ぶか-中公新書-井上-寿一/dp/4121021924

中公新書は、いい本が多い気がしますが、学術的でテクニカルな感じがします。
これは戦前の二大政党である政友会と民政党を中心に情勢、政争などをみたものです。
やや素人が読む分には無味乾燥な気がしますが、現在でも議論になる二大政党について考えよう、また何故戦前の二大政党は崩壊したのかという視点で読みましょう。

戦前1924から1932年まで政友会と民政会が交互に政権を担当するという健全な政党運営がなされました。いわゆる、憲政の常道といわれます。
失政、内紛などにより、政権運営ができなくなったとき、変な連立工作や禅譲などで延命工作をせずに、失敗を認めて、相手党に政権を譲り、解散するというものです。
これにより、健全な議会運営が行われ、政策を競う政治風土が生まれつつありました。
しかし、5.15事件で犬養総理が暗殺されると憲政の常道は崩壊してしまいました。
政党政治家でない斎藤内閣ができてしまいます。

この後、民政党は永田鉄山などの陸軍官僚に接近し内閣審議会などを開催して党基盤の回復を図ろうとし、政友会は官僚ファッショを嫌い天皇機関説を持ち出して民政党を攻撃、軍部に接近し、一党支配を固めようとしました。よく軍部独裁とか間違って言われますが、政治腐敗が軍人の台頭を招いたのです。逆です。
むしろ1920年30年代まともに国策を考えていたのは陸軍でした。
政治はというと、民主主義の萌芽期であり、藩閥政治から議会政治へと転換していくなかで党利党略に走り、互いに相手を攻撃していました。
特に1928年以降、張作霖爆破事件や満州事変の対応、デフレ期にデフレ政策をやるという大失政、欧州情勢を読み違えるなど外交の大失敗など非常にまずいものがありました。

政治の失敗が軍人の台頭を許したのです。責任は政治にあるのです。

自党の失策は相手党の利得になってしまうのは仕方のないことですが、なんでもかんでも党利党略に走って攻撃しあうのは国を滅ぼしてしまった前例に学ぶべきでしょう。

またイスラム国をめぐって、安倍内閣批判や政権批判につなげる報道や言論がありますが、まったくもって筋違いです。
すべての責任はテロリストにあります。彼らは国を滅ぼそうとしていることを自覚するべきでしょう。

また自己責任論もありますが、そんなこといったら全てが自己責任になってしまいます。
別にシリアにいかなくても拉致される危険性はあるわけで、何でも自己責任にして終わってしまい、自分のことのように考えなかったら健全な議論などは形成されないのです。

いつもながら文章滅茶苦茶ですがご愛嬌。以上はあくまで自分の主観と印象です。要検証!