パンダは居ない

昨年のクリスマスイブの前日

お空に還った

 

泌尿器系腎臓系が原因だったと思う

病院に連れて行こうか迷った

迷ってなんかいないで早く行けば…

 

排尿が辛そうなことは4年間で

数えきれないほどあって

その度に排尿の手伝いをして

数日で元気になっていた

あんなに厳しい状態から復活したのだからと

パンダの生命力なら大丈夫と思い込んでいた

 

「今は葬儀が立て込んでいるから」

朝7時に電話して引き取りは13時間後だった

 

悲しみと罪の意識は

どのコの時もあるけれど

パンダへの罪悪感は特別だ

 

パンダの世話をしている時も

引き取りを待っている間も

餌の時間だけ姿を見せていたチビ

 

2日後

特徴的な声で鳴いていた

まるで母猫が子猫を探す声

見てみると口にネズミを咥えていて

パンダを探しているようだった

鳴きながらキョロキョロとして

耳を澄ませて反応を確かめている

30分ほどそんな状態が続き

ネズミは放置されたままになった

 

その後

いつも共に居たパンダを亡くしたチビは

おしゃべりも少しずつだけれど

してくれるようになった

 

今は

餌を食べている時に触られるのは

我慢しているようで

逃げたいけれど餌は欲しい気持ちが

身体に現れていて及び腰になっている

 

でも

その毛の温かさが嬉しくて

チビの柔らかい毛と

パンダの硬い毛の違いを

毎日感じている

 

おそらく

係わる最後の猫になる

もっと仲良くなりたいと

ずっと元気でいてほしいと

ただ ただ 願っている

 

そして

近所にも少しずつ増えた

さくらねこたちが

温かくみんなに見守られて

その猫生を全うしてほしいと思う

 

     おわり