日本ではすでに違法になっていると聞きました
マジックマッシュルームのお話です。
もうかれこれ20年ぐらい前の話
そのころ私にはマシンガントークアメリカ人のお友達クリフがいました。
クリフのおかげで私の英語耳は格段アップしました。
週末は朝から晩までいつも一緒に遊んでいました。
彼は地元アメリカにいたときは占星術師、日本ではどこかで英会話講師をしていました。
バラエティに富む話題が多く一緒にいてとても楽しかったです。
その彼から教えてもらったマジックマッシュルーム。
そのころは新宿だか渋谷だか、、路上で「観賞用」として普通に売られていたようです。
「ミッキー（私の呼び名）おもしろいもの仕入れたよー」
と言って乾燥した小さなきのこを持ってきました。
これを食せば感性の研ぎ澄まされた素敵な世界を体験することが出来るとか。
もう一人の友達ダニエルくんも加わってきのこパーティです。
（彼は宣教師のようなALT。とても穏やかで優しい性格です。日本語も話せます）
「チョコレートも一緒に食べるといいよ」ということでダニエルはチョコを持ってきてくれました。
ワクワクしながら私のアパートの一室で３人で小さなテーブルを囲み食べました。
「ミッキー最初に言っとくけど、これはゲロを吐くほどまずいよ！」
え・・・ちょっとビビりながらちょっと、、ひとくち、、
おいしい！！！
なにこの味！！とても好みの味でチョコなしでいけました。
やさしい味が口の中にひろがり、きのこと一体になるような感じ、とてもとても優しい気持ちになりました。
しばらく３人で仲良くおしゃべりしていました。
なにが変わったんだろう、、、なんにも変化なし。
んん、、！！
透明な袋に入っている残りのきのこたちが動き出しました！！
そんな私の様子をみていたシュルーム先輩クリフ、「さあ、出発の時がきたようだね」と目で合図。
「新しい発見をしよう！」と３人で町に散歩にでました。
うきうきと３人で歩きました。すべてのもの輝いています。
、、、パチンコ屋の方から何やら楽しい音楽が流れてきました。
いつもここを通るとき聞こえる音楽なのに、、、
まったく違って聞こえます。思わず足を止めました。
気が付くと私たち３人ともその場で同じように聞き入っていました。
その後大爆笑。
どうしてもおかしくて笑いを止めることが出来ませんでした。
「音楽」ってこんなに楽しいんだっけ？？
その後も私たちはひたすら笑い続けました。
道行く人がみんな幸せに見えました
みんな微笑んでいた。そして輝いていました。
みんなエレガントな動き、ゆっくりした美しい表情をしていて、、
私は「本当にここに生きていて幸せだなあ」っと涙がでてきました。
世界中の人みんなと仲良くなれそうです。
世界中の人みんなが仲良しに思えました。
その後私たちは図書館へ向かいました。
季節は秋。色づく紅葉がとても美しく葉の一枚一枚の輪郭、グラデーションが美しく、
また泣きそうになりました。
田舎なのでさほど人は多くなく、私たちを怪しむ人もいませんでした。
すれちがうおばあちゃんには丁寧にあいさつをしました。
心と心が通じ合う、そんな感じがしました。
図書館についた私たちは今日が休館日ということに気づきました。。
中に入れないのす。。
しょうがないので周りのお庭を散歩しました。
お散歩も楽しいものです。いつもと同じなのにいつもと同じじゃない
でも実をいうと私はもう歩きたくないのです。
ただじっとして、この肌に触れる空気や風を見ていたい。
でも、、クリフは歩きたがるのです。どこまでもどこまでも。。
ダニエルはもうどこかへ行ってしまいました。
いつの間にか単独行動です。
やがてサァーサァーとやさしい雨が降ってきました。
私はいつのまにか駐輪場で座禅を組み雨を見つめていました。
（クリフはすでにいなくなっていて私ひとりです）
水たまりに落ちるその水滴一つ一つがとてもゆっくりと降りてきます。
水滴ひとつひとつがきれいなミルククラウンの形を作ってアスファルトに消えていきます。
私は一生それを見ていたいと思いました。
ちなみに私が住んでいたアムステルダムでマジックマッシュルームは普通に生で売られています。
ただこちらは少し嫌われているような感じを受けました。
ホテルなどに「マジックマッシュルームお断り」の張り紙がよく見られました。
どうしてダメなのか聞いてみたところ「普通より幸せになっちゃう人が多いからだよ」と言われました。
ああ、そういうことか。と思いました。
これは摂取する人の心情、環境などに左右されることが大きいと思います。
私のように能天気な人にとっては最高の体験をすることができるのかもしれませんが
心に不安や恐れ、恐怖、罪悪感などを強くもつとちょっと恐怖の体験になるかもしれません。
後日ダニエルに体験を聞きました。
彼はとても怖い思いをしていたそうです。
守衛さんが自分を悪人と思っているという妄想に取りつかれずっと雨の中ぐしょぬれになって逃げていた。とのことでした。
自分の中身が少し違う世界に移る感じです。
クリフの友達は持っていたナイフがとても美しく思え、気が付いたら自分の腕にたくさん切り傷をつけて血だらけになっていたとか。
また自分の体の一部が異様に思えそれを取り除こうとしたという話も聞きました。
、、怖いですね、、
私自身イヤフォンで聞いていた音楽。音符が皮膚の中に入り込み怖い思いをしたことがあります。
とにかく聴覚視覚がとても研ぎ澄まされます。
描かれているはずのない美しい大作が壁一面に出現したりもしました。
無意識に見聞きしていたものがとてつもなく素晴らしいものだということに気が付きます。
でもこのストレス社会ではお勧めしたくないと思いました。
現在は法律で禁止されていますよ。日本ではだめです。
確かアムステルダムでは大丈夫なはずですが、摂取するときはどうぞお気をつけてください。できればそれをよく知った方（私の場合はクリフ）がいっしょにいてくれればなおよろしいと思います。