★ ブランド戦略の失敗の末路
Bonjour! 
友人からいただいたNewsweek Japanに、クリスチャン・ラクロワの倒産にいたるまでの記事が載っていましたので、わかりやすく、まとめ。
ラクロワがお好きでない方も、ファッションに興味がない方も、ラグジュアリー産業の戦略・倒産にいたるまでの経緯としては興味深いと思いますよ。
Christian Lacroix 年表
1987年 ブランド設立。デザイン画を見て、「天才だ!
」と思ったアルノー氏の投資による。このときラクロワは36歳。
1990年 香水セ・ラ・ヴィ発売。→大失敗
2005年 このときまでに、CEO交代14回
LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)からアメリカの免税店チェーンのファリック・グループに売却。さすがのアルノー氏にも、芸術のパトロン
はもう無理。。。。
アルノーは「ラクロアを通じてクリスチャン・ディオールやシャネルのようなブランドを1から築き上げていくのは難しく、偉大な才能だけではファッションブランドは成功しないことが分かりました。ブランドには伝統が必要なのです。」と語っている。
今伝統あるブランドも、最初は伝統ナイケド??新興ブランドで成功しているところもアルケド??
2008年秋前 ラスベガスとニューヨークにブティック開く。これが大失敗の元
2008年秋 金融危機

2009年5月 倒産
設立以来一度も黒字を出したことがなく、累計1億5000万ユーロの損失
(約110億円!!)
2009年12月 フランス裁判所が承認した再建計画は、ライセンス事業の管理のみ。
2010年3月 眼鏡類、文房具、家庭用品にライセンス供与発表。
2010年3月27日 ジャン パトゥ (Jean Patou)時代のデザインのコレクションのオークション
.オークション・ハウスChayette & Cheval
最高落札額は、8500ユーロで、オートクチュールドレス。(約100万円弱)
20105月26日 ラクロワ所有の家具オークション
★ ラクロワ のオークション
。。。。
そして、現在。今は、どこでどうなさっているのかしら
この記事でのコンサルタントの言葉
「フランスの高級ブランドが倒産した本当の理由は有能な経営者と戦略の不在だ」
つまり、ラクロワの芸術的なセンス・アイディアを収益に変えるCEOに恵まれなかった、というのですが、なぜそういう人材をアルノー氏は見つけてあげられなかったのでしょう

オートクチュールでは、フランスを代表するブランドの一つとして、高い名声があり、高評価なのに、それが大衆向け商品・プレタ・ポルテでに活かせなかった、というのが敗因、としています。
けれども、ジュエリー(アクセサリー)は、とても人気がありましたし、デザインが奇抜すぎなのなら、お洋服は無理としても、バッグなどにそのエスプリを入れて生産すれば、受けいられやすかったのに。あるいは、スカーフとか小物。世界展開は、服以外の装飾品に特化する、とか。
なぜ、LVMHの豊富な資金源
がありながら、それができなかったのか不明。


~ラクロワ氏の経歴~
モンペリエ大学卒業。73年美術館の学芸員になるためにパリへ移り住む。そこでソルボンヌ大学、エコール・デュ・ルーブルを卒業。そして、未来の妻となるフランソワーズの勧めでファッションの道に進む。78年、エルメスに入社し、当初はアクセサリーのデザインを手掛ける。80年、ギ・ポランのアシスタントに就任。81年、ジャン・パトゥのオートクチュールのチーフデザイナーに就任。
そして、才能を開花し、ラクロワのデザインがを見て、「天才だ!」と思ったアルノー氏から投資を受けることになります。
これって、本格的なオートクチュールのデザイナーとしては、珍しい経歴
。ファッションの学校を出ていない。逆に、大学を複数。
エビアンやスニーカーや、色々なブランドとコラボしたり
、エールフランスの制服デザインしたり
、マドンナのワールドツアーの衣装をデザインしたり
、フランスの国鉄SNCFの制服をデザインしたり
、オペラのコスチュームデザインしたり
、フィギュア・スケートのスルヤ・ボナリーの衣装もラクロワでしたし
、ディータがカンヌで着たドレスもラクロワ
でした。まさに、フランスを代表するフレンチ・ブランド
でした。でも、それでも倒産。

参照 http://www.fashion-st.net/link/lacroix.html
http://www.christian-lacroix.fr/
スルヤ・ボナリーの衣装。フィギュアでは珍しい黒人の選手でした。覚えていらっしゃいますか?
グローバルなこの時代、貴重で稀少な、フランス人の
、フランス人による
、フランス人のためのブランド
だったので、フランス・ファッション界において、本当に大きな出来事だったと思います。
(シャネルのカール・ラガーフェルド様はドイツ人ですし、クリスチャン・ディオールのジョン・ガリアーノはイギリス人ですし、ヴァレンティノはイタリアブランドですからね!)
わたくし、経営してみたかったです。
経営が無理なら、せめてブランド・コンサルティング。
ラクロワさんとは好みが似ていますし
左はラクロワの、ワンピースコート。右は、RuBis の3/4コート。素材はフィッチ。毛皮やさんで在庫を取り合ったのも、懐かしい思い出。
これもラクロワさんと好みがぶつかった、フューシャ・ピンクに黒いナチュラルな模様の入っているミンク。
これにレースを合わせて、クッションに。地はシルバーのシルクシャンタン。
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友人からいただいたNewsweek Japanに、クリスチャン・ラクロワの倒産にいたるまでの記事が載っていましたので、わかりやすく、まとめ。
ラクロワがお好きでない方も、ファッションに興味がない方も、ラグジュアリー産業の戦略・倒産にいたるまでの経緯としては興味深いと思いますよ。


1987年 ブランド設立。デザイン画を見て、「天才だ!

1990年 香水セ・ラ・ヴィ発売。→大失敗


2005年 このときまでに、CEO交代14回

LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)からアメリカの免税店チェーンのファリック・グループに売却。さすがのアルノー氏にも、芸術のパトロン



アルノーは「ラクロアを通じてクリスチャン・ディオールやシャネルのようなブランドを1から築き上げていくのは難しく、偉大な才能だけではファッションブランドは成功しないことが分かりました。ブランドには伝統が必要なのです。」と語っている。
今伝統あるブランドも、最初は伝統ナイケド??新興ブランドで成功しているところもアルケド??

2008年秋前 ラスベガスとニューヨークにブティック開く。これが大失敗の元

2008年秋 金融危機


2009年5月 倒産

設立以来一度も黒字を出したことがなく、累計1億5000万ユーロの損失

2009年12月 フランス裁判所が承認した再建計画は、ライセンス事業の管理のみ。
2010年3月 眼鏡類、文房具、家庭用品にライセンス供与発表。
2010年3月27日 ジャン パトゥ (Jean Patou)時代のデザインのコレクションのオークション
.オークション・ハウスChayette & Cheval
最高落札額は、8500ユーロで、オートクチュールドレス。(約100万円弱)


20105月26日 ラクロワ所有の家具オークション
★ ラクロワ のオークション
。。。。
そして、現在。今は、どこでどうなさっているのかしら

この記事でのコンサルタントの言葉
「フランスの高級ブランドが倒産した本当の理由は有能な経営者と戦略の不在だ」
つまり、ラクロワの芸術的なセンス・アイディアを収益に変えるCEOに恵まれなかった、というのですが、なぜそういう人材をアルノー氏は見つけてあげられなかったのでしょう


オートクチュールでは、フランスを代表するブランドの一つとして、高い名声があり、高評価なのに、それが大衆向け商品・プレタ・ポルテでに活かせなかった、というのが敗因、としています。
けれども、ジュエリー(アクセサリー)は、とても人気がありましたし、デザインが奇抜すぎなのなら、お洋服は無理としても、バッグなどにそのエスプリを入れて生産すれば、受けいられやすかったのに。あるいは、スカーフとか小物。世界展開は、服以外の装飾品に特化する、とか。
なぜ、LVMHの豊富な資金源




~ラクロワ氏の経歴~

そして、才能を開花し、ラクロワのデザインがを見て、「天才だ!」と思ったアルノー氏から投資を受けることになります。
これって、本格的なオートクチュールのデザイナーとしては、珍しい経歴











参照 http://www.fashion-st.net/link/lacroix.html
http://www.christian-lacroix.fr/
スルヤ・ボナリーの衣装。フィギュアでは珍しい黒人の選手でした。覚えていらっしゃいますか?
グローバルなこの時代、貴重で稀少な、フランス人の



(シャネルのカール・ラガーフェルド様はドイツ人ですし、クリスチャン・ディオールのジョン・ガリアーノはイギリス人ですし、ヴァレンティノはイタリアブランドですからね!)
わたくし、経営してみたかったです。

ラクロワさんとは好みが似ていますし

左はラクロワの、ワンピースコート。右は、RuBis の3/4コート。素材はフィッチ。毛皮やさんで在庫を取り合ったのも、懐かしい思い出。



これもラクロワさんと好みがぶつかった、フューシャ・ピンクに黒いナチュラルな模様の入っているミンク。







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