★絵の価値ー2ドルのピカソ | RuBisふわふわ王国 by 高木美香

★絵の価値ー2ドルのピカソ

「2ドルで売った絵はピカソだった? 「100万倍の価値」報道に売り主落胆。

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米国のある女性は、亡くなった隣人の親類からさまざまなモノを譲り受けた。その中には1枚の絵も含まれていたのだが、価値がないと判断した女性はガレージセールに出し、わずか2ドルで販売。しかし、後にこの絵がホンモノのピカソ作品の可能性があると分かり、女性は酷く落ち込んでいる。

実はこの女性パーカーさんは最初、絵に「ピカソ」のサインがあることに気が付いたそう。そこで親類にたずねると「ニセモノだから、気にしなくて良い」との返事。この言葉をそのまま受け取ったパーカーさんは、「ニセモノなら」と、ほかの品々とともにガレージセールで販売することにした。売り上げはトータルで500ドル(約4万6,000円)とまずまずの数字で、ニセモノだと信じていた絵も2ドルで売れたそうだ。

この絵を買ったのはテイシャ・マクニールさんという女性で、マクニールさんも絵の「ピカソ」のサインに気が付いたのか、インターネットを使って絵に関する情報を検索。すると、“存在不明”とされている絵に「驚くほどそっくり」だったことから、FBI(米連邦捜査局)に盗品の照合を含めた絵の鑑定を依頼した。この話を米放送局ABCが聞きつけ、マクニールさん本人に直撃する。

マクニールさんは「FBIは、オリジナルのように見えると言った」(ABCより)そうだが、そのほかについてはコメントを避けているという。FBIは、問題の絵が「盗品リストに含まれていない」としているため、所有権は問題なくマクニールさんに。ABCは今のところ絵の価値は「(ホンモノなら)少なくとも200万ドル(約1億8,300万円)以上」と伝えており、実に買値の100万倍の金額になる可能性がある。  」

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http://www.mefeedia.com/news/24736146

絵画の価値って難しいですね。もちろん、現代は過去の絵画に対しての市場がすでに形成されているので、市場価格・現在評価額というのは存在します。けれども、よく言われるように、もしかしたら5歳の自分のこどもが描いた絵の方が価値があるかもしれないし、その画家の絵は好きじゃないから全く欲しくない、というのもありますよね。基本的には、紙やトワルに絵の具を塗ったものが絵画の物質としての価値ですから、貴重なものではありません。

そこに、いろいろな付加価値や、絶対的とはいえない「美」としての価値であったり、また希少性・歴史的意義などさまざまな要因によって絵画の価格が決まるわけです。これは、あくまで「価格」であって、「価値」ではありません。ですから、投資や投機の対象にもなりやすいのです。保管に場所をとるわけでもありませんから。

わたくしにとっては、絵画というのはその中に使われている「色」というものがとても重要であったので、画商にはなれない、と早くから思っていました。絵画にくらべれば、わたくしの専門のアンティーク家具や装飾美術品・工芸品は投機の対象になりりにくいため、株式市場のようには価格が上下しません。また、美術的価値とは別に、そのものに「物」としての価値が少なくともあるので、当時のわたくしにとってはより明快なものでした。例えば、銀器であれば、「銀」そのものがすでにある一定の価値があり、そしてそこに由歴や芸術性などによる付加価値が加わるわけです。家具ならその象嵌細工には、ラピスラズリや貝が埋め込まれていて、すでにその技術には一定の価値が生じます。

逆にだからこそ、高尚なものとして長らく絵画や彫刻はFine art としてdecorative art に優位なものとして位置づけられてきたということもあります。最近はdecorative art 自体も学問として体系付けられています。博士号もあります。まだ価格が低かった時代に、これらのdecorative art を買い占めて美術館にした石油王ゲッティ氏は先見の明があったというほかありません。彼のアドヴァイザーが、かもしれませんし、その背景にはもちろん、当時すでによい絵画などは手に入れにくくなっていた、という理由もありますが。

けれども、今は、もしかしたら、実は画商としての方が大成したのかも、と思います。思いいれが強すぎない分、手持ちの絵画を売ることにためらいが生じにくいであろうから。ニコニコフランスのアンティーク家具とかは、好きすぎて、思い入れがありすぎて、ついつい商品を手放したくなくなってしまうのですラブラブ!

ねこへび芸術の秋ですねドキドキ
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