★骨董品の鑑定 | RuBisふわふわ王国 by 高木美香

★骨董品の鑑定

<骨董品>ニセモノと盗品だらけ!市場は犯罪の温床―中国

「2007年の1年間に、中国国内で美術品オークションに出品された官窯(時の支配者のために築かれた窯)の陶磁器は2万点に及んだ。さらに06年から現在 までに乾隆帝(1711~99年、清朝第6代皇帝)の玉璽(ぎょくじ)が100点もオークションに出品されたが、本物は3点しか作られていないという。

.・・・・・オークションや骨董店で、本来法律で規制されている古い年代の物(1911年以前の物)が平然と高値で取引されている。」


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アンティークというのは本来100年以上たっているものに対して使われることばです。ですから、例えばアール・ヌーボーやアール・デコ時代のものは、まだ アンティークとは呼べなかったりします。1911年以前の物が規制対象ということは、ほぼアンティーク全般が規制されているということです。

「規制」というのは、何も悪いことばかりではなく、貴重な文化財・骨董品の保護でもあります。

100点もの玉璽(ぎょくじ)のうち、3点しか本物ではない。というよりも、この文からは3点本物が作られた、とあるだけなので、100点すべてニセモノだったかもしれません。

このようなことは、中国に文化財保護協会のような組織もないか、あるいは機能しておらず、きちんとした鑑定法が確立されていないから起こったことなのでしょう。

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わたくしの専門分野である十八世紀のフランス家具・装飾美術品の世界では、当時の記録が国立書庫本に保管してあります。例えば、ブール(André Charles Boulle) によるコモードCommodeが、何年何月何日ヴェルサイユ宮殿のルイ14世Louis XIV王冠1のサロンに搬入された。その後、何年何月何日ポンバドゥール夫人のサロンに移動、~~。。。。とすべて記録されています。

ただ、イラストなどはついていませんし、当時のフランス語で書かれているので、フランス語初心者だったサザビーズSotheby's時代は大変でした。たとえて言うのなら、金髪の女の子女の子が、江戸時代の古文書庫に通い、当時の行書の記録を読む、みたいな感じでしょうか?

これらの記録から、この椅子椅子はナンとか公爵夫人の寝室にあったものであろう、と推測し、またその他の資料などから由歴が明らかになったりします。逆に、ここにこういう記述があるため、この書斎机は誰それの作ではありえない、というようなこともわかります。

鑑定というのは、目目だけでも、知識本だけでもだめで、両方必要なのです。

フランスフランスは記録の国ですから、このようにすべてが体系だって保存・保管されていますが、イタリアイタリアにはそういうものがない。そもそもイタリアという国存在しなかったのですから、中央集権がなせる記録保存管理というのはムリですね。中国は、中央集権の時代もありましたけれども、その後共産党になったりと政変が激しすぎるのと、国土が広すぎて把握しきれていないために、このようなことになるのでしょうね。


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