ウサギは最近、崔洋一監督の新作映画「トロピカル冒険活劇忍法帳」を見て来ました。ええ、主人公は「カムイ」という抜け忍で南の島でワイルドな鮫釣りや、小雪演じるやはり抜け忍のスルガの娘と甘~イアバンチュ~ルを楽しんだりと、作品のテーマは南国のようですので、松山ケンイチの日焼け一つしていない眩しい白い肌と伊藤英明の甘くてワイルドな笑顔がとても良かったです。
ええでも映画のタイトルを見てウサギは驚きました。何を勘違いしたのか、編集のミスなのかタイトルを間違えているのです。タイトルに「カムイ外伝」そして原作は 白土三平とデカデカと表示されているのです。何を狂ったのか、なんと監督はマジだったようです。およそ「カムイ外伝」ほどトロピカルという言葉が似合わない作品はないと思いますが、しかし崔洋一監督がなぜカムイ外伝を「トロピカル冒険活劇忍法帳」にしたて上げたのかは意味不明です。てゆーかありえなでしょ、カムイ伝で沖縄ロケって。抜け忍はバカンスとは無縁の存在です!
とりあえず、カムイは抜忍で抜忍は許さんという訳で追ってが迫って来るのですが、追手との格闘シーンのCGがとにかくしょぼい、「GOEMON」でもしょぼいと感じたのですがトランスフォーマーなどで派手で緻密なCGに目が肥えたウサギにはそういう所がイチイチ目に付きます。逃亡の途中、やはり抜け忍(小雪)で少年時代かつて自分と戦った相手とめぐり会うのですがカムイは年をとり青年になって松山ケンイチになっているのに、小雪だけは皺一つ増えていません。人魚の肉でも喰っているのでしょうか?
ここまで原作の世界観をぶち壊し、ひたすらトロピカル路線を突き進む「カムイ外伝」これは最早、妄想しながら映画を見るしか有りません。でないと間が持ちませんから。
ここからはウサギが考えた大人の「カムイ外伝」です。お子ちゃまは見ちゃ駄目。
セクハラ親父の大頭の汚れた愛撫が原因で抜け忍となったカムイ(松山ケンイチ)にかつての恋人、不動にカムイ討伐の命令が下る。ようやく漁村でカムイを見つけ出し説得を試みようとする不動だが、カムイはすでに村の娘と出来ており嫉妬に狂った不動は漁村を全滅させ、嫌がるカムイにかつて自分達がどれだけ体を許し合った中なのかを囁きながら、力ずくで犯すのだった・・。
「やっ!やめろ!不動!」
「どうした、カムイ、なぜ拒む!かつて大頭の慰み物になっていたウヌを俺がどんな気持ちで、見ていたか知らぬウヌでは有るまい」
「ああっ!!そこは!!やめろ!」
「そうだ、ウヌは俺にココをこんな風に触ると、いつも喜んで俺に抱きついて来たではないか、なぜ今になって拒む!!許さぬぞカムイ!!」
カムイは不動の執拗な愛撫に悶えれば、悶えるほどスルガの娘との、清らかな日々が思い浮んだ。それは不動の寄せては返す波の様な肉の喜びから逃れる命綱のようカムイには思えた。一方、不動は靡かぬカムイを執拗に犯していた、かつて好き合い、にも関わらず守る事さえ適わず、今ようやく巡りあったにも関らず、今や愛されても居ない行き場の無い愛が不動の忍びとしての自分を一瞬忘れさせた。
その刹那!
一瞬の隙がカムイに剣を走らせる隙を作った。
唇を奪われていたカムイの舌に逆流した不動の血の味が広がった。剣の突き刺された不動の腹からボタボタと暖かい血が不動によって傷つけられた、カムイの焼けた肌に滴り落ちた。
「すまねぇ、不動、オラもう不動の物じゃ、ねえだ」
「いいんだ、分かっていた。俺が望んだ事だ・・。」
な~んて事を妄想しなければ、とてもじゃないけど、間が持たないそんな「カムイ外伝」でした。最も原作を読まなければ、トロピカル、カムイ外伝も有りなのかも知れません。ウサギでした。