私「お父さん、お願い。すぐ病院に行こう。私、付き添うから」

こらえきれなかった涙を拭いながら父に懇願した。


父は「うん」とうなづいた。

てっきり、いつも通り嫌だと言われると思ってた。


私が泣いてしまったから、父は素直にうなづいたと思っていたのだけど…


後々、もしかしたらずっと体調が悪くて我慢してたのかもしれない…。そう思った。


その後1度帰宅し、母が帰るのを待ち電話をした。


私「お父さん、別人みたいに痩せてる。声も聞き取れないくらいかすれてる。今日にでも病院連れていくから」

母はびっくりしていた。

母「お父さん、あまり喋る人じゃないから気づかなかった…」


父は寡黙な人で、私たち女3人が喋ってる横でしっぽりとお酒を飲むような、そんなスタイルだった。


私「わかってる、久しぶりに会った私だから気づいたんだと思うし…。何もないならないで安心したいから今日連れてく」


母「でも今日は主治医の先生いない曜日よ」


私「主治医の先生じゃなくてもいい、カルテはあるからそれで父の持病とかもわかった上で診てくれるだろうし…声のかすれも食欲低下も言ってくる」


私は一刻も早く連れて行きたかった。


母「でも…」


と、母はずっと診てきてくれた先生を差し置いて…としぶっていた。


その主治医の先生は明後日いるという。


母が展開についていけなくて少し慌ててる感じがでてたので、

「明後日ならすぐくるか…」

と明後日行くことで一旦落ち着かせたのだった。