3日後、午前中に実家に行った。

そこには母の姿はなく、父がいつもの定位置のソファに座ってテレビを見ていた。


「お母さんは?買い物?」と父の方を見た。

父は「うん」とうなづいた。

その目が合った瞬間に、ゾクッと言葉では表現するのが難しいのだけれど…身体がぎゅっとした…。

父の異変を目の当たりにしたからだった。


父は、とても痩せていたのだった。


毎日暮らしている母は気づかないかもしれない。

久しぶりに会った私だから、その異変に気づいてのかもしれない。


ぼう然と私が立っていると父が口を開いた。

父「さりるてばかだらら」


え…?ハッとして聞き直す

私「え?な、何?」

父「さっりでらばっら」


父の声がおかしい…

ものすごいかすれててうまく聞き取れない…


私「さっき、でた、ばっか?お母さんがってこと?」

父は私を見てうなづいた。


次の瞬間、私は父の前で泣いてしまったのでした。