医療業界全体において人手不足が問題視されているが、看護師の不足も深刻さが増している。
その原因として考えられているのが、少子高齢化や、在宅医療が必要な医療的ケア児から高齢者までの患者の増加だ。
また、人手不足の影響によって過酷な労働が強いられていることで、看護職の離職率を高めてしまっていることも要因の1つだろう。
早急に人材確保の対策を実行していかなければ、医療業界は危機的状況に追い込まれてしまいかねない。
看護師の仕事は女性が多いため、結婚や出産、育児などのライフステージに合わせて離職するケースも珍しくない。
もちろん、復職できる職場も多いが、家庭と仕事との両立ができずに復職を諦めている潜在看護師も増え続けている。
そこで、看護師不足解消のために、働き方の見直しが検討されるようになってきた。
たとえば、子育てと両立して働ける時短勤務やフレックスタイム制など、ライフワークバランスの実現に向けた勤務スタイルが導入され始めたのだ。
過重労働で看護師が身体を壊さないよう、雇用形態の見直しなど、働く環境の整備が行われるようになってきている。
看護業界側でできる人材不足解消への取り組みは、このような働き方改革が中心だ。
しかし、大元の問題である少子高齢化や在宅医療の増加は、国を掲げて政策を打ち立てなければならない問題だろう。
2025年には3万~13万人もの看護師不足が懸念されている。
この問題に立ち向かうために、看護業界では離職の防止と定着促進、復職支援、さらには看護師の養成など、多くの課題に取り組んでいるのだ。
近年、医療の発達により急激に増え続けている医療的ケア児。
命が助かっても長期的に入院をする子どもが多く、退院しても永続的に呼吸器や経管栄養を必要とすることになる。
医療的ケア児を在宅で看護するのはもちろん家族であり、かなりの負担が強いられる。
そのような小児在宅医療を支えるのが、訪問看護や訪問診療なのである。
医療的ケア児は少しの外出でも大変な大荷物と共に移動するので、病院に出かけるのも一苦労だ。
ケア児が体調を崩した時や心配事がある時などに訪問看護や訪問診療があると助かるのだが、医療的ケア児の自宅に赴き、診療することができる小児科医はまだまだ少ないのが現状である。
これには医療的ケア児の多くが希少難病のために専門的な知識を必要とすることがあり、医師たちに敬遠されがちという事情による。
よって、家族が大きな負担を強いられることになり、家庭崩壊を招くケースも少なくない。
どんな医療的ケア児にも家族で過ごす権利がある。
家族が子どもを生かす選択をとり、家族で過ごすことを望んだのだから。
それなのに家族が看護に疲れ、生活が崩壊してはあまりにも悲しすぎるのではないか。
子どもが家族と安心して過ごす、そんな当たり前のことを地域全体で支えていく、それが小児在宅医療の最大の課題であり、実現に向けて努力していかねばならない。
これから小児在宅医療の必要性は医療の発達と共にどんどん増えていくだろう。
子どもと一緒に過ごしたいと願う家族の気持ちを叶えるためにも、小児在宅医療のサポート体制を整えていくことが必要だ。
参考サイト:『小児在宅医療』など