かつては、帰るふるさとがありました。
今では、そのふるさとに住み、帰るふるさとが無くなってしまいました。
あの時の、ふるさとはなんだったのでしょうか。

緊張して、朝早に出発です。
冷凍バッグや発泡スチロールの箱に、たくさんのお土産を詰め込んで。
人よりも二歩も三歩も先に、あの高速のトンネルを越えなければと。
子供の好きな音楽を流して、逃げられない助手席でしつこく尋問、学校のこと友達のこと。
途中何回も休憩を取りながら、やっと着いたこの田舎に何があったのだろう。

お盆期間の渋滞は、過去最多と18日の新聞にありました。
テレビでもラジオでも、帰省ラッシュ、Uターンラッシュと繰り返していました。
そんな世間の喧騒とは無関係なことに、小気味よさを覚えたことがありました。
が、「また、なんで」と何回も経験した渋滞も、最近は過去の思い出の中にすっぽりと納まって、懐かしくもあります。

市場の盆休みは14日~17日で、生産者は13日~16日が出荷休み。
ぽっかりと空いた4日間。
それでも休みにはならず、腰まで伸びた雑草と格闘しながら、テールランプが果てしなく続く高速道路、それでも家族全員が揃ったあの時が、思い出されます。