1月最後の日に、母に会いに行った。


母は今年94歳。高松市(香川県)の施設に入っている。



事前に11時からの外出申請をしていたので、朝8時過ぎに神戸から車で出かける。

神戸から高松まで淡路島を通るいつものルートで2時間ちょっと。


母が入所している施設のすぐ近くにお墓があり、お参りしてから、迎えに行く。


母は体は元気で足も丈夫だけれど、認知症が進んできていて、私を見て名前を呼んでくれることはない。

でも、私と手をつないで歩き、不安そうな様子もなく車にも乗る。



お肉が好きだから、お肉が食べられる店に行く。ランチ1人前ほぼ完食。



耳が遠くなっているので、ふつうの声で会話はできない。耳元で大きめの声で話しかけると、にこやかに答える。



1月が誕生日だからプレゼントを渡すと、「え?私の誕生日?」と言いながらも嬉しそうに包みを開ける。
紫色のスカーフを見ると「これ、いい色やね。」さっと首に巻いた。母は紫色が好きだ。気に入ったみたい。


母は、私が物心つく前に離婚して、私と2つ年下の妹を連れて実家に帰った。
そして、私は5歳で母の兄夫婦の養女になった。


養父母に育てられ、母のことは「おばちゃん」と呼んでいた。


養父母が亡くなった後、夫の転勤で高松に引越し、母と行き来するようになった。高松には10年ほど住んでいた。


施設に入る前から、母を世話してくれている従姉妹がいる。

「もう、私のことがわからないみたい。」と従姉妹にメールすると、「そんなことない。姉ちゃん(私)のことは、覚えてるし、わかってるよ。ただ、今の顔と一致しないのかも。」と返事がきた。


そうなのか…

今、目の前にいてもなんだかよくわからないけれど、母の記憶の中にはちゃんと私がいるんだな。



別れ際に他人行儀な挨拶をしていた母の姿を思い浮かべて、少し目頭が熱くなった。