【月輪】 | 富貴蘭を楽しんでブログ

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日本富貴蘭会 平成21年 登録品種
【月輪】です

【高千穂の縞】とよばれていたものには 縞の色合いの違いで 3タイプがありました

平成14年に白黄縞の【龍泉錦】

平成17年に黄縞の【天領】が登録されました

【月輪】は【高千穂の白縞】といわれていたものが覆輪になった状態での登録です

【天領覆輪】も 人気品種ですが
まだ 登録は されていません


これで【高千穂の縞】と呼ばれていたすべてが出揃い 各々が登録されました

登録前 当時は 全てが 【高千穂の縞】と 呼ばれて
かなりの 高額で 流通 取り引きされて 
いました


 【月輪】の特徴

1.軸がほとんど汚れずに
葉はゆったりとした大型の姫葉です

2.覆輪とはいえ朝日殿型の柄性ですので
なかなか 子供に 紺が 乗るのに ようやくという
感じで 時間がかかります

3.その為 増殖は とても ゆっくりで まだまだ
鉢数 少ない 希少大覆輪品種です

4.白というよりは萌黄色の深覆輪です
覆輪は 初期伊万里の染付で有名な白兎文の皿に使われた吹き墨のようで 葉裏から白黄の覆輪に
緑をうっすらと 吹き付けた ようにも 見え
とても 味わい深い 大覆輪です

5.根は薄い泥根です 覆輪が深いので
ルビー根をのぞかせます

しかし ルビー根は綺麗ですが 勢いよく 伸びてくれません
泥根が多くないと この大きな体と
柄行による虚弱体質の株が維持できません


6.花軸はほぼ緑で 茶色の斑点は見られません



【月輪】の来歴

約30年前に九州高千穂産の山採りから常盤園が選別したもので 鳥取の谷口さんから小豆島の真砂さんが譲り受けて増やされました


 この【月輪】【天優】と 同じように
はほとんどの木が覆輪に仕上がってしまいました

縞を残す木はごくわずかですが残っている 
程度です

しかし ほとんどが青に近く 縞も一筋程度です

これらの木は【高千穂の白縞】と呼ぶとまた混乱されるので 【月輪の親】 呼ばれていました


 最近では登録品種も増え 品種の判別が難しくなってきました

オークションなどにも【月輪】と しょうし
【朝日殿覆輪】の偽物が出ることも多々あります


【月輪】は覆輪品種なので 縞の【龍泉錦】
【天領】と花で区別をすることはありませんが
花の形はそれぞれ異なります

人気が出ると必ず良く似た品種が現れます
そういう場合は是非花も見比べてください

本物と見間違うように綺麗に着飾った偽物が突然目の前に現れれば なかなか
見破ることは 難しいです

しかし 言葉巧みに言い寄ってくる偽物を棚に入れないよう鑑識眼を養われることも富貴蘭の
楽しみです