見慣れた筈なのに、全ての人がマスクをして歩いている光景が突然怖く感じた。ぞっとした。
小さい頃によく読んだ『ボノロン』を思い出した。ガスが充満した村で、みんなガスマスクをする、みたいなところから始まったんだけど、その光景が、とても怖くて、幼い私はなんだかうまく表せない恐怖に怯えた。それと同じ恐怖を、今日、あの光景を見て感じた。
表情も読み取れず、淡々と歩く人が怖かった。勿論、私自身もその中の1人。
どうして、どうしてこんな世の中になってしまったのだろう。
最初は日本国内1人目で感染者が出た、とか2人目の感染者が出たとか、正直、そんなに大ごとになることだとは思っていなかった。でも今では日本国内の感染者数が合計55.3万人、死者数は9778人である。
私は重度の花粉症で、どうしてもくしゃみが出てしまうことがある。
出来るだけ堪えるようにしているんだけど、以前堪えられず、くしゃみが出てしまった時、周りの鋭く、冷たい、睨むような視線を感じた。
睨んだその人達が悪いのではない。
彼らが冷たい訳でもない。
本当はみんな、温かい。
それなのに
冷たい世界は毎日形成されていく。
ああ、どうして、どうしてこんな世の中になってしまったんだろう。
いつになれば、喜怒哀楽を常にダイレクトに感じながら生きる、あの温かい世界に戻るのですか?
あと何回、「コロナ」という単語を聞いて、あと何回、「コロナさえなければ」と繰り返せばいいのですか