ジャック・リベットの1978年の作品。
いや~、わたしとしたことが、すんごい映画を見落としていました・・・。
三時間という大作。その間に何回魔法やワンダーがあったのでしょうか。
これは女の子必見!必見!必見!な映画です。
フランスのファンタジーってこうでなくちゃ!
STORY
パリの公園のベンチでジュリー(ラブリエ)は魔術の本を読んでいる。
別のベンチには猫が。そこをセリーヌ(ベルト)が走り抜け、サングラスとスカーフを落とし、それをジュリーが拾って追いかけるが、追いつくと思うとまた離れ、追跡ごっこの様相を呈す。
この魅力的な開幕で、二人の主人公のいわく言い難い奇妙な結びつきは絶対のものだと思わせる手口は、黄金期のハリウッド映画のそれのようで、思わず引き込まれる。
そこから続く“不思議の国のアリス”にインスパイアされたという物語は、唐突に開始される二人の共同生活にしろ、彼らが互いに入れ替わってそれぞれの分身になる展開にしろ不条理極まりないのだが、多くが即興演出から導き出されたという描写の一つ一つが大変生き生きとして、見る者を困らせはせず快く惑わせる。
やがて、ある郊外の屋敷にひきつけられた二人は魔法のボンボンをなめ、そこで起こる少女毒殺に至る物語を幾度となく幻視する。妻に先立たれた男オリビエ(監督バルベ・シュローデル=バーベット・シュローダー)の娘マドリンが、彼の義姉カミーユと亡き妻の友人ソフィの彼をめぐる愛の葛藤の中殺される(妻の遺言で娘の成長するまで彼は再婚できないのだ)という--その結末を変えようと、二人はボンボンが切れ、偶然に調合した薬の力で夢の中に入り込み、セリーヌとジュリーで“二人で一人”の付き添い看護婦アンジェールとして、少女を助け出そうとするのだが……。
ボンボンが切れたときに作り出す魔法の薬・・・はじめはただの(一応魔法の?w)水だったのに、素晴らしい過去の空気やらパセリやら入れ、火を焚くと、なんとも不思議なブルーベリー色のジュースになっている。
そんなバカなと思いながらも少女の頃に憧れた魔法ごっこを思い出させる素敵なワンシーンでした。
70年代のファッションやインテリアもとっても可愛くて、ほんとうに素敵な映画に出会えちゃいました!