7月の終わりに、とある本を探しに「紀伊国屋書店」に立ち寄りました。その時入口付近に積まれていた本に目が留まりました。

 それがこの本です。

 「グランドシャトー」

 この作品名を見た途端。大阪人なら、これは買わねばなるまい。と反射的に作品を手にその他目的の本と同時に購入。

 帰宅して開いてみたら、著者のサイン入りでした。
 京橋にある「グランドシャトー」というキャバレーのお話。実は京橋には「グランシャトー」という総合レジャービルがあります。今はもうキャバレーは入っていませんが、ある一定年齢以上の関西人なら、「グランシャトー」のテレビCMを知っていると思います。
 その「グランシャトー」をモデルにしたのが、この「グランドシャトー」
 ある一定年齢以上の関西人なら必ず歌えるCMソングについての個人的なエピソードを一つ書き記したいと思います。
 かれこれ8年くらい前になりますが、「パワーストーンブレスレット」の営業で静岡市内に宿泊していたことがあります。宿泊しているホテルの目の前の居酒屋のカウンターで、たまたま静岡で公演していた「大阪フィルハーモニー交響楽団」のメンバーの方と居合わせたことがありました。
 東北出身だという酒豪の方で、「私も大阪から来たんですよ」と言うと、大阪フィルハーモニーメンバーの方が突然、私のほうを向いて「京橋は♪」と歌い始めたので、私はすかさず「ええとこだっせ♪」と答え。続いて二人で「グランシャトーがおまっせ♪」とハモると、大阪フィルハーモニーメンバーの方「おぉーほんまや大阪の人や」と納得されました。居酒屋のママさんをはじめ周囲の関西人でない方たちは、そのやりとりをポカーンと眺めてました。
 いささか古いたとえですが、忠臣蔵の赤穂浪士の合言葉「山」と言えば「川」と答えると同じように、ある一定年齢以上の関西人なら答えることが出来る。それが「グランシャトー」のCMソングなんですよね。
 コマーシャルはこちらです。
  

 

 

 小説の「グランドシャトー」のほうは、一回目を読み終わってから、最初のプロローグに戻り、又もう一度最後まで読み返すという非常に私にとっては深く染み入る作品でした。二度と戻らないゆったりとした時の流れと懐の深い空気感。去ってしまった昭和という時代が読む者の脳裏に色濃くよみがえります。

 作品を読んだ者だけがわかる写真を一枚。

 帯を外した表紙写真を一枚。

 非常に良い作品でした。