めずらしく、ハードな歴史ノンフィクションを読みました~
というのも、台湾が舞台だったから
なにしろ、筋金入りの歴史オンチの私
台湾に来た当初は、この国の成り立ちすらわかってなかったし、
今でも人に説明する自信はない・・・
かといって今さら歴史の教科書を読む気にもなれないし、
(ルウの手前、そうも言ってられないんだけど・・・)
まあ、ストーリー仕立ての本ならいけるかも、と考えたわけです(笑)
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『この命、義に捧ぐ ~台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡~』 門田隆将・著
(Amasonの紹介ページはこちら)
<Amazonの紹介文より>
在留邦人4万人、無事日本に帰還!その恩義を返すため、将軍は、漁船で台湾へ向かった…。
60年の歳月を経て今、明かされる日本人司令官の知られざる生涯。
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第二次世界大戦後の中国「国共内戦」で、
毛沢東率いる共産党との戦いに敗れた蒋介石が、
最後の砦であった台湾に追い詰められたとき、
彼ら国民党を救うため、命をかけて台湾へ密航した日本人がいた・・・
それが、この本で語られている根本博陸軍中将だったのです。
内蒙古で敗戦を迎えた根本中将が、
その地に残った邦人を守るために、どう行動したか。
そのとき、蒋介石は何をしてくれたのか。
そして、その恩義に報いるために台湾に渡った根本中将が、
どのようにして台湾・金門島を守り抜いたのか。
これまで歴史上ではスポットの当たっていなかった根本中将の生き様が、
丹念な取材によって浮き彫りにされていきます。
信念を貫く根本中将の姿ももちろん感動的でしたが、
私がさらに興味をひかれたのは、
これほどの活躍をした人物のことが、
現在の台湾の歴史からは抜け落ちているという事実でした。
終戦後の中国と日本の関係、
国民党内の主導権争いなど、
さまざまな要因が複雑に絡み合った結果、
「日本人に助けられた」という史実は闇に葬られてしまったのです。
著者が台湾への取材を始めた当初、
政府関係者は誰もこの事実を知らず、また認めようともしなかったといいます。
けれども、2009年の古寧頭戦役60周年記念式典のとき、
馬英九総統が、根本中将の関係者の方々に、突然握手を求めたそうです。
長い間忘れ去られていた史実が、やっと公のものになったんですね。
私もこれからは、もう少し違った角度から台湾を見ることができそうです。
かなりボリュームのある本ですが、オススメです