ユリと青桐 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

只今 我が家の狭い庭で 次々ユリが咲いています。

7月中に咲いていたのは 鹿の子百合。

 

 

 

8月に入ってからは 裏通路に白いユリが咲いています。

 

 

 

切り花にして玄関に活けて2日後 花瓶の周りが濡れているのを見つけました。

花を見ると めしべからポタポタと甘い蜜がしたたり落ちています。

こんなに蜜がいっぱいあれば 虫たちが集まるのがよくわかりますね。

 

 

 

元々我が家にあったユリも 去年叔父の家から移植したユリも こんな葉っぱをしています。

 

 

 

どれもシュッとした形の白い花が咲くので 全部テッポウユリだと思っていたけれど どうやら2種類あるようです。

玄関脇に咲いているのは

 

 

 

真っ白なテッポウユリ。

 

 

 

 

玄関前に咲いているのは 花びらの外側にピンクの筋が入る タカサゴユリのようです。

 

 

 

実家前の松並木の下でも 只今テッポウユリが満開です。

 

 

 

 

道路向こうには 大きな葉っぱを茂らせた大木があります。

この木 名前もわからないまま 子供の頃から見ていた木ですが ずいぶん大きくなりました。

 

 

 

改めてよく見たたら 上の方に袋状になった実がいっぱい。

 

 

 

調べてみたら この木 青桐でした。

別名は《梧桐(ごとう)》

青桐は 桐の木とは別物で 葉っぱもこんなに違うと知りました。

(画像は ネットからお借りしました)

 

 

 

桐と言えば 家紋や着物の柄にも多く登場しますが 手持ちの《日本家紋大事典》によると 桐家紋のモデルになっているのは白桐ではなく 青桐の葉をデザイン化したものだそうで 132種類の家紋が掲載されていました。

 

 

 

 

 

この他にも桐のデザインは 500円硬貨の刻印 パスポートの名義人ページ 学校の校章等 身近な所で使われています。

 

 

こちらは手持ちの桐が刻印されたビラ簪

 

 

 

 

古来中国では 聖天子(徳のある優れた王)が即位すると 瑞兆(めでたい印)である鳳凰が青桐に止まったとの伝説があり 青桐は鳳凰が宿る木として神聖視されたそうです。

この伝説が日本にも伝わり 平安時代頃から天皇の衣類や調度品に桐や鳳凰の紋様が使われ 桐花紋は菊紋に次ぐ格式ある紋とされました。


中世以降 武力で天下の政権を掌握した統治者は 天皇や朝廷から褒美として 権威と格式の象徴である桐紋が下賜されました。

桐紋を許された足利将軍家や織田信長 豊臣秀吉等の天下人達です。
愛知県豊田市長興寺所蔵の織田信長の肖像画に描かれている 信長の装束には織田家の《五葉木瓜紋》ではなく桐紋が描かれています。

 

 


明治時代になると桐紋は 政府の紋章として日本国章に準じて扱われ 首相会見の時に使われる演説台の桐紋の紋章は テレビで見かけることがあります。
 

 

瑞兆として使われる《桐と鳳凰》のデザインは 花嫁衣裳にもデザインされます。

今年 シルク博物館に見に行った《花嫁衣裳 晴れの日の模様と彩り》で 大正時代の花嫁衣裳 三枚重ね留袖にも鳳凰と桐文様がデザインされていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうそう 桐のデザインは 花札にもありますよね。

(画像はネットからお借りしました)

 

 

 

以前 花札を散りばめたタペストリーを作った時に 桐の札も置きました。

 

 

 

 

この花札のタペストリーは 古布の中から 花札の絵柄に近い柄を選んで土台にし 刺繍などを施して仕上げているので 本来ならば 鳳凰が描かれた20点札を置きたかったのですが 

 

 

 

古い女の子の着物の中にあった桐柄をそのまま使い 文字のみ刺繍したので このデザインになりました。

 

 

 

花札柄のタペストリーは いつかまた作ってみたいな~~~