奈良旅 その13 奈良町資料館の古道具 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

奈良町資料館には 大好きな古道具がたくさん展示されています。

高価な道具じゃないけれど 庶民が日常に使う道具がいっぱい。

こういうの大好きです。

 

人相イマイチの福助オジサン。

 

 

 

香時計

お香は燃焼時間が安定しているため お香の燃え尽きた長さで 時間の経緯を図っていました。

 

 

 

香時計は 6世紀頃 中国から日本に伝わり 当時のものは正倉院に残されていて 古代インド文字が刻まれていることから インドで作られ 中国を経て 日本に伝わったとされているそうです。

使う時には 平らにした灰の上に 回路となる木型の溝に沿って抹香(粉末のお香)を敷いて点火し 時間の経過で時を測ります。

途中で抹香を変えて敷くと 香りの違いで時間が解るというおしゃれな使い方も・・・

平安時代頃までは 朝廷で時間の計測していた《陰陽寮》が鳴らす鐘の音と同時に 都の寺院が香時計に点火して時間を測り 鐘を鳴らして庶民に時間を伝えていたのではないかと考えられているそうな・・・

現代社会のように分刻みで追われることもなく 良い時代だったんですね。

 

 

大正時計

これは 大正時代に作られた櫓(やぐら)時計の一種ですね。

櫓時計は火の見櫓の様な四角い台の上に機械を置き 台の中に下げられた錘(おもり)を動力として動く置時計で 初期の頃の和時計の一種です。

 

 

 

参考までに こちらは平成27年(2015年)に 静岡県三島市の佐野美術館で開催された《花のお江戸のひな祭り 極小美の世界》を見に行った時に 展示されていた小さな櫓時計(高さ 16.5㎝)です。

画像は図録からお借りしています。

精巧に再現されているので 櫓時計の構造までがよくわかります。

 

 

 

時計部分

 

 

 

時計内部

 

 

 

文字盤

 

 

 

仕掛け図

 

 

 

燗銅壺(かんどうこ)

お酒の燗をする道具

炭を燃やす炉部分と 徳利やちろりをつける酒燗部があり 炭火で中に入れた水を熱し お酒を温めます。

昨日 大磯のグルニエメメさんに寄ったら 同様の燗銅壺がありました。

 

 

 

お酒好きの人は 《寒い季節の燗酒は 内側から入る風呂》と言ったそうですが 私は暖かい部屋で飲む辛口の冷酒が好き爆  笑

ちなみに ひと口に《熱燗》と言っても 温度により5度刻みで 様々な呼び方があるそうで これも日本人の繊細さでしょうかね。

  《日向燗》 日向でぬくもった程度の温度で約30度

  《人肌燗》 約35度

  《ぬる燗》 約40度

  《上燗》  徳利を持った時 やや熱さを感じる約45度

  《熱燗》  徳利から湯気が立つ役50度

  《とびきり燗》  熱燗よりもさらに熱いもの

 

 

もう一つのお酒の道具は 花見樽

花見樽は 《指樽(さしだる)》《袖樽》などと呼ばれる室町時代以前から使われていたお酒を運ぶ道具です。

 

 

 

指樽は《祝樽》とも呼ばれ お祝いの席で使われることが多い酒器で 上の栓を抜くと 約一升のお酒が入ります。

蒔絵等を施し 2個一対で嫁入り道具として持たせることもあり 雛道具でも作られています。

こちらは 手持ちの資料本《企画展 小さなもの集まれ!》(福島県立博物館図録)の中に掲載されていた指樽(高さ 5.7㎝)です。

 

 

 

また《指樽》の《指し》は 釘などの接合具を一切使わず 材同士を組み合わせて作る《指物》の技術で作られることに由来し 《祝樽》は重箱と一緒に花見の行楽時に使われました。

樽を奈良資料館に寄贈された方もこの樽をお花見で使い 《花見樽》と呼んでいたそうです

 

 

《鹿鳴館時代の鏡台と簪》(明治初期)

 

 

 

《足踏みミシン》(上部のみ)

日本のミシンは 明治時代に普及が始まりましたが 当初は輸入品のみ。

大正時代になると 国産品が大量生産されるようになりました。

 

 

 

《分銅秤》

 

 

 

 

《台座付き天秤ばかり》

 

 

 

《大正13年頃の日本で最初のラジオ》(左)

 

 


伊万里焼 柿右衛門皿

奈良町で60日に一度行われる庚申さんのお祭りでには 直径1m以上の大皿に 海・山・野の珍味各7種 七色の材料を用いて 七枚の大皿に盛りつけ 庚申さんに参拝した善男善女を接待しました。

 

 

 

 

下の直径1m70㎝の大皿には 100人分の料理を盛り付け 豪華絢爛な宴会が行われたそうです。

奈良商人の裕福さが伺えますね。

 

 

 

それにしても大きな皿びっくり!!

 

 

 

古道具が好きな方 奈良資料館 面白いですよ。